前日を振り返って
前日の相場は自律反発こそ見られたものの、戻り売り圧力が強く、方向感の乏しい一日であった。 日経平均は48,822円で始まり、一時49,087円まで戻したが48,537円で引け、▲165円の小幅安にとどまった。 一方でNF日経レバ(1570)は寄り付き後に弱さが目立ち、想定レンジを下抜け、39,820〜41,230円の範囲で推移。終値は40,390円で▲370円となった。
特に1570の乖離値は7,800〜8,400円と前日に続き大きく、連動性が崩れたままであった。 値幅は1,400円と比較的落ち着いたものの、方向感のなさがトレードを難しくしていたと言える。
チャートでは短期線のレジスタンスが強く、MACDはマイナス圏推移、RSIも40〜50帯での停滞と、「反発しても続かない地合い」を象徴していた動きである。 需給悪化の余韻が続いており、戻り局面も限定的となった。
寄り前情報

本日の東京市場は、エヌビディア決算を通過したことでショートカバー主導の反発が見込まれている。 エヌビディアの第4四半期売上高ガイダンスが市場予想を上回り、時間外取引で同社株が上昇。これを好感し、AI関連を中心に買い戻しの流れが先行するとみられる。
ロイターは日経平均の予想レンジを49,000〜49,800円とし、シカゴ日経先物は前日比1,000円超の大幅高で推移している。 アドバンテストやソフトバンクGといった指数寄与度の大きい銘柄に資金が戻る可能性が高い。
一方で、米国ではFOMC議事要旨を受けて利下げ観測が後退しており、上昇局面でも上値を追いにくい展開が想定される。 買い戻しが一巡した後は高値圏でのもみ合いに入る可能性が高く、全体としては一方向ではなく揺れやすい相場である。
本日の戦略
昨日の乖離値(7,800〜8,400円)および1570の値幅(1,400円)、そして本日の日経平均予測レンジ49,000〜49,800円を踏まえ、 寄り付きは大幅高の可能性が極めて高い。そのため、強気に追いかけるよりも「過熱に注意しつつ押し目待ち」が妥当であると判断する。
● 本日の1570 想定レンジ
昨日までの乖離値とロイター想定レンジを組み合わせると、 41,800〜43,000円を本日の現実的なレンジと見積もる。 ショートカバーが強まれば43,500円付近までの到達もあり得るが、持続的上昇とは見にくい点に注意したい。
● 本日の狙い方
- 寄り付き大幅高なら:飛びつかず、押し目を待つ。特に42,300〜42,600円の押しがあれば拾いやすい。
- 43,000円台前半:上値は重くなる可能性が高い。戻り売りや利確の候補として意識する。
- 41,000円台後半:急落があれば短期反発狙いが有効。
- 値動き荒い日を想定:ロット縮小・ナンピン禁止を徹底。
エヌビディア好決算による反発は「イベント通過の買い戻し」であり、トレンド転換を意味するものではない。 米金利の上昇が続く限り、上値追いは慎重に対応すべき局面である。
閉めの言葉
昨日の相場は反発こそあったものの、まだ本格的な回復を示すほどの強さは感じられなかった。 今日はいったん明るい気配が戻る可能性があるが、イベント通過の揺れは大きく、相場はまだ落ち着きを取り戻していない。 こういう日ほど焦らず、自分のペースで丁寧に値動きを追っていきたいと思う。

