前日を振り返って
昨日の相場は、我々の想定レンジを遥かに凌駕する「猛烈な踏み上げ相場」であった。
日経225は2,675円高の53,739円、NF日経レバ(1570)は4,440円高の48,330円と、ショート勢を完全に焼き尽くす圧倒的な強さを見せつけた。MACDや移動平均線などのテクニカル指標も強い上昇モメンタムを示し、まさに売り手不在の一本調子な展開であった。
しかし、ここで冷静にならなければならない。明日の相場に対する極めて重要な判断材料となるのが、「乖離値(5,400円〜7,500円)」と「値幅(1,900円)」である。
前日から値幅はやや縮小したものの、依然としてボラティリティは高い状態にある。さらに特筆すべきは、これだけの急激な上昇を演じながらも、5,400円〜7,500円という異常な乖離値が高水準を維持している点だ。この事実は、テクニカル的な歪みが完全に解消されておらず、むしろ限界に達しつつあることを意味する。この急反発が本格的なトレンド転換なのか、それとも強烈な調整(急反落)の前触れとなる乖離埋めに向かうのか、極めて慎重に見極めるべき局面である。
寄り前情報

昨晩の米国市場は、中東紛争の早期終結期待を背景に続伸となった。
添付のデータが示す通り、NYダウは46,595.79ドル(+254.28)、NASDAQは21,831.45ポイント(+240.83)、S&P500は6,575.60ポイント(+47.08)と、主要3指数揃って堅調な推移を見せている。市場の恐怖感を示すVIX指数も24.68(-0.57)と低下傾向にあり、過度な警戒感は一旦和らいでいる。
ロイター予測によれば、本日の日経平均も米株高の流れを引き継ぎ、続伸でのスタートが想定されている。予想レンジは「53,000円─54,500円」である。
画像データの日経225先物(期近)も54,180円(+80)とプラス圏で推移しており、寄り付きは底堅い展開が予想される。
しかし、本日の相場における最大のリスクイベントが日本時間午前10時に控えている。トランプ米大統領による国民向け演説である。事前に「米国がかなり早くイランから引き揚げる」との姿勢が報じられているものの、実際の演説内容や、その裏で動く原油先物、そして為替(USD/JPY 158.940近辺)の動向次第では、相場が神経質に乱高下する可能性が極めて高い。
本日の戦略
前日の圧倒的な上昇と未消化の巨大な乖離値、そして午前中の特大イベントを踏まえ、本日のNF日経レバ(1570)の想定レンジは以下のように設定する。
想定レンジ:47,000円 〜 49,800円
日経平均の予想レンジ(53,000円〜54,500円)をベースにしつつ、イベント通過後の突発的なボラティリティ拡大を織り込んだ広めの設定としている。
基本戦略:「10時通過までの様子見と『事実売り』の急反落警戒」
本日は、時間帯によって明確に立ち回りを変える必要がある。
- 寄り付き〜午前10時前(48,000円〜48,500円付近): 大統領演説の内容を見極めるムードが広がり、積極的な買いは手控えられやすい。前日の大幅高の反動(利益確定売り)も出やすいため、この時間帯での不用意なエントリーや高値掴みは避けるのが無難である。
- 午前10時以降(演説通過後): 紛争拡大回避が明確になれば、短期的なショートカバーを巻き込んで急騰(49,000円突破)に向かう可能性がある。だが、ここで最大に警戒すべきは「材料出尽くし(事実売り)」である。前日の乖離値(5,400円〜7,500円)が示す通り、相場は既に大きく上に歪んでいる。好材料が出ても上値が重いと感じた瞬間、乖離を埋めるための強烈な利益確定売りが一気に襲い掛かる危険性がある。
- 下値のメドと押し目(47,000円〜47,500円付近): 演説後の原油価格の動向次第では、「高い原油水準の長期化」が改めて意識され、値幅1,900円のボラティリティを伴った鋭い調整が起こり得る。押し目を狙うのであれば、この水準までしっかりと引き付ける忍耐が求められる。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。前日の歴史的なショートカバーを目の当たりにし、我々は相場に潜む暴力的なまでのエネルギーを再認識した。
しかし、熱狂の裏には必ず反動の火種がある。異常な乖離値という歪みを抱えたまま、大統領演説という強力な起爆剤を迎える本日の相場は、決して油断できるものではない。
焦る必要はない。乱高下の波に飛び込んで消耗するのではなく、自らが設定したレンジとシナリオに従い、相場の声に静かに耳を傾けるだけでいいのである。

