戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、トランプ米大統領のイランに対する警告や原油価格の高止まりを受け、「レンジ下抜けの突っ込み警戒と徹底したリスク管理」を基本方針としていた。
想定レンジは「45,800円 〜 47,200円」と弱気に設定。イベント通過前特有の買い手控えを想定し、「打診買い厳禁、ヘッドラインリスク回避の徹底」を掲げ、不確実性の霧が晴れるまでポジションを軽くして静観する構えであった。
実際の値動き

結論から言えば、事前の「地政学リスク警戒による下落」というシナリオは見事に裏切られ、中東情勢の緩和期待を背景とした強い自律反発の波に巻き込まれる結果となった。
■日経225
・始値 53,205円
・高値 54,039円
・安値 53,205円(※始値と安値が同値の寄り底スタート)
・終値 53,413円(前日比 +290円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 47,220円
・高値 48,750円
・安値 47,390円(※データの仕様上、始値直後の乱高下を示唆)
・終値 47,670円(前日比 +570円)
日経225、NF日経レバともに寄り付き直後から力強い買いが入り、日経平均は一時900円超高の54,000円台に乗せる急騰を見せた。NF日経レバも想定レンジの上限(47,200円)をあっさりと上抜け、48,750円まで踏み上げた。
しかし、手放しの強気相場とはならず、後場に入ると利益確定売りに押されて急速に伸び悩み、大引けにかけては後場の安値圏まで失速する「行って来い」に近い形状で取引を終えた。
テクニカル分析(1570チャートより)
添付の4月6日のチャートを確認すると、午前中の急騰と後場の失速がテクニカル指標にも克明に刻まれている。
・移動平均線(ボリンジャーバンド):朝方の急反発で価格は上値のバンド(UPPER1・UPPER2)に達したものの、後場の失速によりボリンジャーバンドの中心線(MID: 48,100)を明確に下回って引けている。上値の重さがテクニカル的に裏付けられた格好だ。
・MACD:DIF(-117.980)とDEA(-75.065)のデッドクロス状態が継続しており、ヒストグラム(MACD: -85.830)もマイナス圏に深く沈んでいる。一時的な急反発はあったものの、大局的な下落モメンタムは依然として払拭されていない。
・RSI(オシレーター系指標):朝方の上昇で一時的に買われすぎ水準に向かったが、後場にかけて再び急速に冷却化。方向感のなさと、買いの持続力の欠如を物語っている。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
5,300円〜5,900円
■本日の値幅
1,400円
明日の相場を占う上で、この2つのデータが示すメッセージは非常に重要である。
前日(900円)に収縮した値幅が、本日は一気に1,400円へと再拡大した。これは、ヘッドライン(ニュース)一つで相場が上下に大きく振り回されるボラティリティの高さが戻ってきたことを意味する。一方で、乖離値は「5,300円〜5,900円」と依然として高い水準を維持。
「値幅の再拡大」と「高い乖離値」の組み合わせは、買い方と売り方の目線が激しく交錯しており、明日以降も神経質で方向性の定まらない乱高下が続くことを示唆している。
反省
本日の最大の反省点は、「地政学リスクの悪化に固執しすぎたあまり、逆方向のヘッドライン(停戦・海峡解放期待)に対する備えが欠けていた」ことである。
日経平均のロイター予測、およびNF日経レバの想定レンジともに大きく下値を切り上げる展開となり、「守る日」と決めていたことで朝方の急騰(初動の波乗り)を完全に逃す結果となった。ヘッドラインリスクを回避するという判断自体は間違っていなかったが、相場は常に悲観の中で生まれ、期待とともに上昇するという事実を再認識させられた。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
6日の日経平均は前営業日比290円高の53,413円と上昇。月曜日の上昇は2月9日以来、約2カ月ぶりとなった。中東紛争の停戦やホルムズ海峡の解放期待が高まったことで投資家心理が改善し、半導体関連株などを中心に自律反発狙いの買いが向かい、一時は900円超高まで上昇幅を広げた。
しかし、54,000円より上は重く、利益確定売りに押されて後場は伸び悩んだ。TOPIXも大半をプラス圏で推移したものの、終盤の失速でマイナス圏に沈んでいる。東証プライムの売買代金は概算で5兆2,700億円。海運や非鉄金属が上昇した半面、鉱業や空運が下落した。買い優勢金額9,074億円に対し、売り優勢金額8,861億円と、需給は拮抗している。
本日の注目銘柄
本日は、地政学リスクの緩和期待や個別材料を背景に、テーマ性の強い銘柄が物色された。
・商船三井(9104):関連会社保有のLPG船がホルムズ海峡を通過(日本関係船舶3隻目)したとの報道が好感され、海運セクター全体の上昇に寄与。
・さくらインターネット(3778):マイクロソフトとのAIインフラ協業期待が引き続き材料視され、大幅続伸。
・パンパシHD(7532):Olympicグループの株式交換による子会社化発表で、業績拡大効果への期待から大幅続伸。
・竹田iP(7875):半導体関連マスク事業を成長ドライバーとした中小型株として急速に人気化し、急動意。
■全体動向トップ
・値上がり率トップ:レゾナック・ホールディングス(4004)(+4.82% / 11,845円)
・値下がり率トップ:T&Dホールディングス(8795)(-6.70% / 3,874円)
次回戦略
本日の「行って来い」の展開と、依然としてマイナス圏で推移するMACDの形状を考慮すると、明日(4月7日)の相場も極めて方向性が掴みにくい。
ヘッドラインの好転で急騰したものの、結局は上値の重さが露呈した。値幅が1,400円に再拡大していることから、明日もギャップアップ、あるいはギャップダウンからの乱高下が予想される。
次回戦略:「レンジ内での逆張り+突発的なブレイクへの警戒」
NF日経レバ(1570)のコアレンジを「46,800円〜48,500円」とやや広めに再設定する。MACDが底を這っている間はトレンドの発生を期待せず、レンジの上限・下限付近での短期的な逆張りを基本としつつ、前日同様の突発的なニュースによるレンジブレイクには即座に損切りで対応する、柔軟かつシビアな立ち回りが求められる。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。地政学の恐怖に怯えていたはずが、一転して停戦期待のニュースで買い戻される。
相場とは常にこのように、投資家の感情を揺さぶりながら本音と建前を交錯させるものである。想定外の急反発に乗り遅れた焦りを感じるかもしれないが、後場の失速が示す通り、相場はまだ完全に底を打ったわけではない。
焦る必要はない。乱高下の波に呑まれることなく、自らのルールと戦略に従い、相場の声に静かに耳を傾けて立ち回るだけでいいのである。

