前日を振り返って:極限のマイナス乖離縮小も、方向感なき乱高下で調整継続
前営業日である5月28日の相場は、事前の予測通り上値の重い展開となり、方向感が定まらずに乱高下を繰り返す「不安定な調整相場」となった。
日経225は米国株高を受けても3桁の下落でスタートし、米国ハイテク株の弱さを引き継いでAI関連が売られたことで開始早々に下げ幅を500円超に拡大した。後場に入ると中東の地政学リスクの高まりが嫌気され、一時は下げ幅を1,100円超に拡大して63,800円台へ突入するパニック的な場面もあった。しかし、売り一巡後は引けにかけて大きく値を戻し、306円安の64,693円と「いってこい」の激しい展開で取引を終えた。NF日経レバ(1570)も乱高下し、安値は66,970円まで急落。終値は68,680円(前日比-880円)と厳しい着地となった。
明日の相場を占う上で特筆すべきは、依然として異常なマイナス圏にある乖離値(-4,600〜-3,100円)と、高止まりしている値幅(2,800円)である。前日の最大-6,000円からは縮小したものの、後場の急反発に対してETFの価格上昇が追いついておらず、ショートカバー(買い戻し)一巡後の純粋な買い意欲の乏しさが浮き彫りとなった。また、連日で3,000円近い暴力的なボラティリティが発生しており、市場が極めて神経質で不安定な状態にあることを強く示唆している。
寄り前情報:米国ハイテク株高と停戦延長報道でリスクオンへ急旋回

本日の相場環境は、前日の緊迫したムードから一転し、海外からの力強い追い風によってリスクオンへ急旋回する展開となりそうだ。
添付の「image_70.png」が示す昨晩の米国株式市場のデータを見ると、市場の熱気が再び高まっていることがわかる。NYダウは50,651.20(+6.92)、S&P500は7,565.13(+44.77)と堅調に推移し、何よりNASDAQが26,919.01(+244.27)と力強い上昇を見せた。クラウド関連企業の急騰など、ハイテク株への資金流入が鮮明となっている。さらに注目すべきは日経225先物(期近)で、65,700円(+1,140円)と前日終値から猛烈なギャップアップを示している。日経平均VI(恐怖指数)も26.95(-4.19)と急低下しており、市場に安心感が広がっている。
ロイターの予測によれば、本日は「反発」が想定されている。米国のハイテク株高の流れを引き継ぎ、AI・半導体関連を中心に上昇が見込まれる。また、米国とイランが60日間の停戦延長で合意したとの報道が材料視され、市場心理を劇的に好転させている。日経平均の予想レンジは64,600円─65,600円と設定されているが、先物の勢いを見れば上限突破も十分にあり得る強気な地合いだ。
本日の戦略:強烈なギャップアップとショートカバーに乗る順張り
日経先物の1,100円超の大幅高、停戦報道による地政学リスクの後退、そして前日の強烈なマイナス乖離が生み出すショートカバー(空売りの買い戻し)のマグマを考慮し、本日のNF日経レバ(1570)の想定レンジは強気に上方へシフトして設定する。
想定レンジ:70,500円 〜 73,500円
基本戦略:「ギャップアップ後の踏み上げに乗る順張りと、週末特有の利益確定売り警戒」
本日は、中東リスクの後退と米ハイテク株高という強力な材料を背景に、寄り付きからの「ショートカバー(踏み上げ)の波に乗る順張り」を基本方針とする。
- 70,500円〜71,500円の下値圏(寄り付きの急騰と押し目買い):
日経先物の動きから、本日のNF日経レバは一気に7万円台を回復する特大のギャップアップスタートとなることが確実視される。前日の下落局面で空売りを仕掛けた層のロスカット(買い戻し)を巻き込み、寄り付き直後も強い上昇エネルギーが期待できる。朝方、利益確定売りなどでマドを埋めるような下押し(押し目)があれば、そこはトレンド再開を狙った絶好のエントリータイミングとなるだろう。 - 72,500円〜73,500円の上値圏(高値更新トライと週末のポジション調整):
買い戻しが連鎖し、一気に73,000円台へ突入する青天井の局面も想定される。しかし、今日は週末の金曜日である。トランプ大統領の承認待ちなど停戦報道の不確実性が完全に払拭されたわけではなく、週末をまたぐリスクを避けるためのポジション調整(手仕舞い売り)が後場にかけて確実に出てくる。高値圏では決して欲張らず、トレーリングストップを活用して確実に利益を確保し、キャッシュ比率を高めて週末を迎えることが肝要だ。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。昨日の1,100円の急落からの急反発、そして今日の猛烈なギャップアップ予想と、相場はまさに息つく暇も与えない乱高下を演じている。
恐怖の底で投げ売りさせられた投資家を尻目に、相場は停戦報道という一筋の光を受けて、再び空高く舞い上がろうとしている。これこそが、ボラティリティの高い相場の恐ろしさであり、同時に最大の醍醐味でもある。
焦る必要はない。今日は寄り付きから荒い値動きになり、一方向への強いトレンドが発生しやすい環境だが、週末要因という重力が働くことも忘れてはならない。冷静な資金管理ルールを胸に、今日も熱を帯びて躍動する相場の声に、落ち着いて耳を傾けていこう。

