■ 戦略のまとめ
前日の米国市場は主要3指数がそろって下落。ダウは-310ドル、ナスダックは-0.21%安、S&P500も-0.36%の調整。VIX指数は16.51と小幅上昇し、投資家心理はややリスク回避へ傾いた。
為替は1ドル=153.16円まで円安が進行し、輸出株支援の思惑があったものの、週末・連休前の持ち高調整圧力が意識された。
本日のNF日経レバ(1570)は、上昇トレンド維持を前提としつつも利益確定売りが出ることを想定。
想定レンジを40,400〜41,100円とし、円安進行による寄り付き上昇なら41,000円台で利確、逆に軟調なスタートなら40,300円割れを押し目買いポイントとするシナリオを描いた。

■ 実際の値動き
NF日経レバの値動きは以下の通りである。
- 始値:40,770円
- 高値:40,830円
- 安値:39,710円
- 終値:39,900円(前日比 -860円、-2.11%)
寄り付き直後は想定レンジ上限付近でスタートしたものの、早々に上値が重く、10時台には一気に40,000円を割り込む展開。ボリンジャーバンド下限付近まで売り込まれ、13時過ぎに安値39,710円をつけた後、終盤はやや戻して39,900円で引けた。
MACDはシグナルとのデッドクロスが進行中で、短期トレンドの鈍化を示唆。
一方、出来高は下落局面で増加しており、投げ売りやロスカットの集中が見て取れる。
ボリンジャーバンドは依然として拡大傾向を保つが、中心線を下抜けており、モメンタムは調整局面入りのサインを点灯している。
■ 本日の日経225とNF日経レバの乖離値および値幅
- 日経225:始値 48,510円/高値 48,510円/安値 47,962円/終値 48,088円(前日比 -491円)
- NF日経レバ:始値 40,770円/終値 39,900円(前日比 -860円)
- 本日の乖離値:8,200〜7,700円
- 本日の値幅:900円
乖離幅は前日より縮小しており、レバレッジ効果の鈍化が見られた。
日経平均が500円安に対し、NF日経レバは2%超の下落と、短期筋の投げが影響した模様である。
■ 反省
ロイター予測および当初想定レンジを大きく下回る展開。
米国市場の調整に加え、国内では公明党の連立政権離脱報道が投資家心理を冷やした。
高市政権への不安定化懸念が、先物主導で売りを誘発した格好である。
週末・連休前の需給悪化も重なり、テクニカルにおいても一旦の天井感が強まった。
■ 東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
日経平均は491円安の48,088円と大幅反落。米国株安を引き継いで寄り付きから下落基調。
ファーストリテイリングが決算を受け大幅高となった一方、半導体主力株や資源関連が全面安。
特に、公明党の連立離脱報道が伝わると、後場にかけて下げ幅が拡大し、一時600円超の下落。
東証プライム売買代金は6兆3,300億円と活況だったが、実需の買いよりも投機的売りが目立った。
業種別では小売のみがプラス。証券・鉱業・石油など景気敏感セクターが大幅下落した。
また、米上院によるAI半導体の対中輸出制限決議が重しとなり、アドバンテストや東エレクなどが売られた。
■ 本日の注目銘柄
- ファーストリテイリング(9983):決算好感で+6.65%の大幅高。5期連続最高益見通しを発表。
- セブン&アイHD(3382):通期下方修正を嫌気し続落。
- トヨタ自動車(7203):新工場建設報道も地合いに押され小幅安。
- 日立製作所(6501):Google CloudとのAI提携発表も反応限定。
- 三井物産(8031):米部品メーカーへの債権報道で3日ぶり反落。
■ 次回戦略
本日の下落により、NF日経レバは5日移動平均線を下抜け、短期調整に入った可能性がある。
MACDのデッドクロス進行とRSIの中立ライン割れが確認されており、翌営業日は戻り売り優勢の展開を想定する。
想定レンジは以下の通り:
- 下値メド:39,500円(前回安値のサポートライン)
- 上値メド:40,600円(5日線・心理的抵抗ライン)
ドル円が円安トレンドを維持する限り、急落後の押し目買いは有効。
ただし、政局リスクを背景にした先物主導の売りには要注意。
短期スイングの場合は40,000円台前半での買い下がり→40,600円で利確の戦略が妥当である。
■ 閉めの言葉
高値圏での調整は避けられず、相場は「一息つく」展開となった。
政治リスクと米国金利動向の綱引きが続く中で、焦らず静観する姿勢が求められる。
上昇の波を待つ者こそ、次のチャンスを掴む。
「強気と慎重さのバランス」——それが今の市場に最も必要な視点である。