■ 戦略のまとめ
本日の戦略は、前日の強い上昇トレンドを引き継ぎ、「寄り付き後の押し目買い」に焦点を当てたものであった。
ロイター予測では日経平均の想定レンジを 49,200〜49,900円 とし、心理的節目の「5万円」に迫る展開を想定。
NF日経レバ(1570)は、前日の乖離値(8,100〜7,500円)と値幅(1,500円)をもとに、想定レンジを41,700〜42,400円 と設定した。
戦略の主軸は以下の通り。
- 寄り付き直後の高値追いは避け、41,800円台での押し目買いを狙う。
- 上昇再開時は42,400円で部分利確。
- 42,500円を明確に突破した場合はホールド延長。
- 一方で、41,500円を割り込む場合は短期撤退。
テクニカル的には、ボリンジャーバンド上限付近を維持し、MACDはシグナル上抜け継続。
RSIの過熱感に注意しながらも、上昇モメンタムを活かす方針で臨んだ。

■ 実際の値動き
日経225は以下の通り。
- 始値:49,675円
- 高値:49,945円
- 安値:49,127円
- 終値:49,316円(前日比 +130円)
NF日経レバ(1570)は以下の通り。
- 始値:42,480円
- 高値:42,910円
- 安値:41,510円
- 終値:41,770円(前日比 +170円)
寄り付き直後に高く始まり、想定上限の42,400円を突破して42,910円まで上昇した。
しかし、その後は日経平均同様、利益確定売りに押されて下落。後場にかけては一貫して売り優勢となり、安値41,510円で下げ止まる展開となった。
テクニカル的には、前場の急騰でボリンジャーバンド+2σを一時突破したものの、その後はバンド中央線を下回り、バンド幅の収縮と共に下方圧力が強まる形となった。
MACDは午後にデッドクロスを形成し、短期調整のサインが点灯。
出来高の増加を伴う下げであり、買い疲れの兆候が見えた一日であった。
■ 本日の日経225とNF日経レバの乖離値および値幅
- 本日の乖離値:7,600〜7,000円
- 本日の値幅:1,400円
前日の値幅(1,500円)に比べやや縮小したものの、依然として高ボラティリティを維持。
日経平均の高値49,945円に対し、NF日経レバは42,910円で推移し、レバレッジ効果は依然として明確であった。
終値ベースでは日経225 +0.26%、NF日経レバ +0.41%と、日経の倍速型ETFとしての特徴が安定して発揮された。
■ 反省
日経225のロイター予測レンジはおおむね的中したが、NF日経レバの上昇は想定をやや超過。
5万円手前での利確は予測できた範囲だったため、日経225の値動きをリアルタイムで確認していれば、42,800円台での利確チャンスを掴めた展開だった。
しかし、午後の急落局面では、ショートエントリーの判断ができず、下げ局面でのリスク回避がやや遅れた点が課題。
MACDデッドクロスとバンド下限割れのタイミングを確認していれば、より戦略的な撤退が可能であった。
一言で言えば、「想定通りの始まり、想定外の結末」だった。
■ 東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
日経平均株価は前営業日比130.56円高の49,316.06円。
TOPIXは1.05ポイント高の3,249.50。
前場は高市首相誕生を織り込み、760円高の49,945円まで買われたが、後場は主力株の利確に押された。
ソフトバンクG(9984)とアドバンテスト(6857)が失速し、5万円台突破はならなかった。
業種別では33業種中17業種が上昇。
上昇トップはその他製品、続いてその他金融業、金属製品、精密機器が続いた。
一方、非鉄金属、保険業、機械は下落した。
注目は、
- トヨタ自動車(7203):AIエージェント開発報道で続伸。
- さくらインターネット(3778):KDDIとGPUアライアンス設立を発表し反発。
- 横河電機(6841):シノペックとの協力覚書締結で続伸。
- 東京エレクトロン(8035):岩井コスモ証券が目標株価を引き上げた。
- AIフュージョンキャピタル(254A):暗号資産レンディングサービス発表で続伸。
市場全体はテーマ株循環物色の流れを維持している。
■ 本日の注目銘柄
- トヨタ自動車(7203):AI・自動運転分野での進展報道が材料視され、堅調推移。
- さくらインターネット(3778):GPU関連の国策テーマ株として再び注目。
- 東京エレクトロン(8035):半導体設備投資拡大期待から堅調。
- AIフュージョンキャピタル(254A):暗号資産市場再活性化の追い風。
AI・半導体・国策テーマが引き続き短期資金の中心軸である。
■ 次回戦略
MACDがデッドクロスを形成し、RSIも中立圏に下落していることから、短期的な調整局面に入る可能性がある。
ボリンジャーバンド下限(41,500円付近)で下げ止まったことから、明日は41,400〜42,200円のレンジを想定。
- 押し目狙いは41,500円近辺。
- 上昇再開時の戻り売りポイントは42,000円台前半。
- 41,300円を割り込む場合は一段安に注意。
短期筋による手仕舞いと、個人投資家の押し目狙いが交錯する1日となるだろう。
■ 閉めの言葉
5万円目前で息切れした相場は、まるで長距離走の終盤のようだった。
勢いを失っても、それが終わりを意味するわけではない。
むしろ、次の跳躍のための「呼吸の時間」である。
焦らず、流れを読む。
その一手が、明日の相場を制する。