■ 前日を振り返って
29日の日経平均は 51,307円(+1,088円/+2.17%) と大幅反発した。
米国株高を背景に寄り付きから強い買いが入り、アドバンテスト(6857)がストップ高まで買われるなど、AI・半導体セクターが市場を主導した。
一方で、TOPIX(-0.23%)やJPX日経400(-0.12%)は下落。
値上がり銘柄よりも値下がり銘柄の方が多く、実態としては「指数だけが上がる歪な相場」であった。
NF日経レバ(1570)は 45,350円(前日比+2,020円/+4.66%) と急伸し、想定レンジ上限(45,600円)に肉薄。
ボリンジャーバンド+2σを一時的に上抜け、過熱感を伴う上昇であった。
米市場では、FOMCによる利下げ決定を受けてナスダックが上昇(+0.28%)、一方でダウは小幅反落(-0.16%)。
AI関連の牽引力は続いたが、S&P500は横ばいで、やや息切れ感も見える。
為替はドル円が152.95円まで円安が進行し、株価の支えとなった。
前日の反発は「過熱と期待の狭間にある上昇」であり、持続性よりも一服を意識するタイミングである。

■ 寄り前情報
ロイターは本日の日経平均について 「利益確定売りが先行」 と予想している。
予想レンジは 51,000〜51,500円。
前日の上昇分の反動に加え、日銀金融政策決定会合の結果待ちで、上値追いは限定的とされる。
政策金利は据え置きが大方の見方だが、「展望リポート」での物価見通し次第では、次回会合での利上げ観測が再燃する可能性もある。
その場合、為替は一時的に円高に振れ、株価の上値を抑えるシナリオも想定される。
米国株は小幅まちまちで、ハイテク主導の強さが続く一方、エネルギー・金融は軟調。
VIX指数は 16.88(+2.8%) と上昇し、ボラティリティがわずかに高まっている。
この点からも、日経平均は一旦の調整局面入りを意識する必要があるだろう。
■ 本日の戦略
想定レンジ
- 日経平均:51,000〜51,500円
- NF日経レバ(1570):45,000〜45,700円(乖離値6,000円前後、前日値幅1,400円を考慮)
前日の強い上昇を受けて、朝方は利益確定の売り圧力が優勢と見られる。
寄り付きが高値圏(45,500円付近)で始まる場合は、まず利確を優先。
一方で、44,800〜45,000円の押し目は、円安維持を確認できれば買い場として有効。
テクニカル的には、NF日経レバは依然としてボリンジャーバンド上限付近を維持している。
MACDはシグナルを上回っているが、乖離が縮小しており、モメンタム鈍化の兆しが見られる。
RSIは75前後と過熱圏。
ここでの追随買いはリスクが高く、**「押し目狙い・高値追わず」**が今日の基本姿勢だ。
また、日銀会合後に為替が円安方向(153円台)へ動けば、後場にかけて再上昇する可能性もある。
したがって、午前中はポジションを軽くし、午後のイベント後に再エントリーする“二段構え戦略”を推奨する。
■ 閉めの言葉
前日の急騰は「熱狂」、本日は「冷静」。
相場が息を整える時間こそ、次の好機が生まれる。
波を追うより、風を読む。焦らず、観察を続けたい。

