■ 戦略のまとめ
前日は大幅反発の反動を意識し、「押し目狙い・高値追わず」を基本方針とした。
想定レンジは NF日経レバ45,000〜45,700円/日経平均51,000〜51,500円。
寄り付き後の利益確定売りを想定し、午後の日銀会合結果次第で再エントリーを狙う“二段構え戦略”を採用した。

■ 実際の値動き
- 日経225:始値51,146円/高値51,657円/安値50,972円/終値51,325円(+17円)
- NF日経レバ(1570):始値44,920円/高値45,840円/安値44,630円/終値45,200円(-150円)
前場は前日の反動で軟調に始まり、一時44,600円台まで下落したが、昼の**日銀据え置き発表後の円安進行(153円台)**で後場は急速に買い戻しが進んだ。
ただし、後場の戻りも45,800円台で頭打ちとなり、引けにかけて再び売り優勢となった。
チャートでは、ボリンジャーバンド上限(45,900円前後)で反発が抑えられ、短期的な上昇一服感が明確。
MACDはシグナルとの乖離を縮め、デッドクロス警戒域に差しかかっている。
出来高も前日比で減少し、短期勢の利確優勢を示す展開だった。
■ 本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
- 乖離値:約6,300〜5,800円
- NF日経レバ値幅:1,200円
乖離は依然として広く、日経平均がほぼ横ばいにも関わらず、NF日経レバは下落。
このことから、ETF特有のレバレッジ減衰と短期資金の抜けが影響したと考えられる。
また、前日の+4%超上昇に対し、本日は一転して-0.33%と反動調整に入った。
■ 反省
寄り付きの44,900円台は押し目の範囲内だったが、日銀会合前のエントリーはリスクが高かった。
午後の円安による戻り局面では再エントリー判断が有効であったものの、戻り売り圧力の強さを過小評価した点が課題である。
ボリンジャーバンド+2σを超えてからの逆張りショートは機能した一方、押し目買いは早すぎた印象だ。
テクニカル的にも、RSIが70→60台に低下しており、モメンタムは明らかに鈍化。
次の上昇波動を狙うには、44,500〜44,700円付近での底固め確認が必要である。
■ 東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
日経平均は前日比+17.96円の51,325円と小幅ながら続伸。
FOMCによる0.25%利下げを受け、当初は米金利低下を好感した買いが優勢だったが、パウエル議長の「次回利下げ見送り」発言でやや失速した。
昼休みには日銀が政策金利0.5%維持を発表。ノーサプライズながら、円安進行により後場は先物主導で上昇。
一時は51,600円台まで上値を伸ばしたが、引けにかけて急反落し、方向感の乏しい展開となった。
業種別では、非鉄金属・鉱業・電力ガスが上昇。陸運・空運・通信は軟調。
米中首脳会談での関税10%引き下げ合意やレアアース規制延期の報が投資家心理を支えたが、半導体・素材株の一角で利益確定が進行した。
■ 本日の注目銘柄
- レーザーテック(6920):+21.2%高で年初来高値更新。アドバンテストの好決算を追う動き。
- トヨタ自動車(7203):円安を背景に後場上げ幅拡大。
- SCSK(9719):住友商事によるTOB発表でストップ高。
- 住友理工(5191):親会社の住友電気によるTOB発表で急伸。
- ディスコ(6146):営業減益見通しを嫌気し反落。
全体としては、M&A関連・半導体関連に資金が集まる一方、ディフェンシブ株は軟調。短期回転資金がテーマ株に集中する地合いであった。
■ 次回戦略
テクニカル的には、NF日経レバはボリンジャーバンド中央線(45,100円付近)を軸とした調整局面入り。
MACDのデッドクロス示唆とRSI低下を踏まえると、翌日は44,400〜45,300円のレンジを想定する。
日経平均の想定レンジは 51,000〜51,500円。
為替が153円を維持できるかが焦点であり、円高方向に振れれば44,000円割れも視野に入る。
逆に、米長期金利低下と円安が進めば、45,800円再トライの可能性もある。
短期的には「高値警戒・押し目待ち」。
中期では上昇トレンドを維持しており、44,500円台の底固めを確認できれば再度ロング優勢に転じると見る。
■ 閉めの言葉
相場は常に「期待」と「冷静」の間で揺れる。
今日の小動きは、熱狂から一歩引いた“静かな均衡”の時間だった。
次の波を迎えるために、今は焦らず、波のリズムを読み続けたい。

