■ 前日を振り返って
2025年11月10日の東京市場は、前週末の軟調地合いから一転して大幅反発した。
米国のつなぎ予算可決による安心感と、ハイテク主導の買い戻しが広がった結果、
日経平均は 50,911円(+635円) と、再び51,000円に迫る展開を見せた。
連動するNF日経レバ(1570)は、
43,590円を安値に44,530円まで上昇し、終値は44,460円(+1,060円、+2.44%)。
想定していたレンジ(43,200〜44,000円)を上抜けて引けた。
テクニカル的にも、ボリンジャーバンドのミドルラインを支えに反発。
MACDはシグナルに接近し、上昇転換の兆しを示した。
市場心理も改善し、出来高を伴う上昇で投資家の買い意欲が戻った点は好感される。
前日の乖離値は 6,400〜6,800円、値幅は 1,100円。
やや連動が安定しつつあり、過熱感は薄れつつある。

■ 寄り前情報
米国市場は続伸。
NYダウは +375ドル(+0.80%) の 47,362ドル、
NASDAQは +534ポイント(+2.32%) と大幅高。
AI・半導体関連株が主導し、S&P500も +1.61% の上昇で終えた。
米VIX指数は 17.76(-6.91%) と再び低下し、
投資家心理は「リスクオン」に傾いている。
円相場も 1ドル=154円台 と円安が進み、
輸出株には追い風の展開が見込まれる。
ロイター予測によると、
本日の日経平均は「堅調な展開」が想定されており、
予想レンジは 51,000〜51,500円。
米SOX指数(半導体指数)が3%上昇していることから、
東京市場でも半導体・AI関連株が引き続き買われる見込みである。
注目は、引け後に発表される ソフトバンクG(9984) の決算。
指数寄与度が高いため、引けにかけては神経質な動きも想定される。
また本日は ソニーG、SUMCO、りそなHD、キリンHD など主要企業の決算も控えており、
個別株物色が活発化する可能性がある。
■ 本日の戦略
前日の上昇を受けて、日経平均は節目の51,000円を明確に上回ってスタートする見通しだ。
半導体主導の上昇が継続する可能性が高く、
一方で午後にかけては決算発表を前に利益確定の売りも出やすい。
よって、NF日経レバ(1570)の想定レンジは44,500〜45,300円とする。
上値目標は45,200円付近、下値サポートは44,400円。
戦略としては、
- 前場の押し目(44,600円前後)を拾い、
- 上値45,200円で一部利確、
- 45,300円を明確に突破した場合は、トレンドフォローで追随買い。
テクニカル的には、
MACDがゴールデンクロスすれば強気継続、
RSIは60台前半で過熱感を警戒。
ボリンジャーバンド上限(45,300円付近)突破後の動きに注視したい。
全体としては、米国市場の強さ・円安・半導体高の「三拍子」が揃う地合いであり、
短期的な買い優勢の相場環境にある。
■ 閉めの言葉
11月10日の上昇は、市場に明るさを取り戻した一日だった。
そして迎える11日は、米国発のAIブームが東京市場に波及するかが焦点となる。
強気ムードが続く中でも、決算シーズン特有の揺れを冷静に見極めたい。
今の相場は、焦らず波を読む者に微笑む。
勢いに乗りすぎず、押し目を丁寧に拾い、
確実に利益を積み上げていく一日にしたい。

