3月11日の東京市場は、前日のリバウンド相場に続き大幅続伸となった。しかし、その値動きの中身は決して単純な上昇トレンドではなく、前場の急騰と後場の失速という非常にボラティリティの高い一日であった。
事前に想定していたレンジ相場のシナリオは大きく上振れる結果となり、改めて現在の市場が「クラッシュ後の不安定相場」であることを強く認識させられる一日であった。
本記事では、当日の値動きを振り返りながら、テクニカル分析と市場ニュースを踏まえて翌日の戦略を整理していく。
戦略のまとめ
本日の事前戦略は「リバウンド後のレンジ相場」であった。
想定していた前提は以下である。
日経平均予想レンジ
53,800円〜54,800円
NF日経レバ想定レンジ
47,800円〜50,200円
前日の急反発を受けて、相場は方向感を探る段階に入ると想定した。
そのため基本戦略は
押し目確認型トレード
であった。
また重要ポイントとして以下を意識していた。
・日経平均54,800円(上値抵抗)
・日経平均53,800円(下値支持)
・1570の心理ライン50,000円
しかし結果として、この想定は大きく上振れることになる。
実際の値動き

■日経225
始値 54,917円
高値 55,745円
安値 54,882円
終値 55,025円(+776円)
■NF日経レバ(1570)
始値 50,410円
高値 51,780円
安値 50,210円
終値 50,260円(+1,250円)
寄り付きは先物主導の強い買いでスタートした。
開始直後から大きく上昇し、前場の段階で日経平均は1000円超の上昇となった。
後場開始直後には
55,700円台
まで上昇し、事前想定を完全に上抜ける展開となった。
しかしその後は利益確定売りが優勢となり、午後は徐々に失速。
終盤にかけて上げ幅を縮小し、最終的には55,000円付近で取引を終えた。
NF日経レバも同様の動きで、
・前場急騰
・後場失速
という典型的なボラティリティ相場であった。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
本日の重要指標は以下である。
乖離値
4,000円〜4,600円
値幅
1,500円
直近の値幅推移を見ると
4,000円
↓
2,900円
↓
2,200円
↓
2,900円
↓
2,100円
↓
1,500円
と、ボラティリティは徐々に縮小傾向にある。
一方で乖離値は
7,800円
↓
5,000円
↓
4,000円台
まで縮小しており、極端な恐怖相場はやや落ち着き始めている。
しかし本日のように
前場急騰 → 後場失速
という構造は、クラッシュ後の典型的な値動きでもある。
つまり現在の市場は
<strong>
クラッシュ
↓
リバウンド
↓
不安定なレンジ相場
</strong>
という段階にあると考えられる。
テクニカル分析
添付チャートから確認できるテクニカル要素を整理する。
ボリンジャーバンド
本日の高値は+2σ付近まで接近した。
これは短期的な過熱圏を示唆する動きである。
その後の後場失速は
バンド上限タッチからの調整
として自然な動きであったと言える。
移動平均線
株価は短期移動平均線付近まで押し戻されて引けている。
これはトレンド継続か調整入りかの分岐点に位置していることを示す。
MACD
MACDは依然として下降トレンドの途中である。
ヒストグラムもマイナス圏にあり、上昇トレンド転換はまだ確認できない。
つまり現状は
反発局面ではあるが、完全な上昇トレンドではない
という状態である。
<h2>反省</h2>
今回の最大の反省点は
レンジ想定の過小評価
である。
ロイター予想レンジ
53,800〜54,800円
しかし実際の高値は
55,745円
であった。
つまり
+1000円近い上振れ
となった。
クラッシュ後の相場では
・ショートカバー
・アルゴ取引
・機関投資家のポジション調整
などが重なり、通常よりも値動きが拡大しやすい。
つまり
「レンジ相場=小動き」ではない
という点を改めて認識する必要がある。
トレンドを見誤ると、レバレッジ商品では大きなリスクとなる。
現在の相場では
ボラティリティを過小評価しないこと
が最重要である。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
11日の日経平均は大幅続伸。終値は776円高の55025円。
まちまちの米国株を受けても寄り付きから600円を超える上昇と強く始まり、早々に上げ幅を4桁に拡大。ナスダックの上昇や決算を発表したオラクルの時間外急伸を背景に、大型グロース株を中心に買いが広がった。
前場は1139円高と強い動きで終了。
しかし後場は55700円台で買いが一巡し、13時以降は上値が重くなった。
終盤は利益確定売りが広がり、上げ幅を3桁まで縮小。
それでも節目の55000円を維持して取引を終えた。
東証プライム売買代金は
7兆2900億円
と高水準であり、市場のエネルギーは依然として大きい。
本日の注目銘柄
本日は半導体・AI関連銘柄が強い動きを見せた。
特に注目されたのは以下の銘柄である。
半導体関連
・アドバンテスト
・東京エレクトロン
・ディスコ
・レーザーテック
・ルネサス
また材料株として
JX金属
が急伸。
AIデータセンター向け半導体材料の増産投資が好感された。
ゲーム関連では
任天堂
が急騰。
Switch2向けソフトの世界的ヒットが材料視され、株価は1万円台を回復した。
一方で銀行株は
信用リスク懸念
から売りに転じるなど、セクター間の強弱も目立った。
次回戦略
本日の重要ポイントは
日経平均55,000円回復
である。
しかしチャート構造を見ると
・前場急騰
・後場失速
という典型的な
短期過熱型の上昇
である。
そのため明日のメインシナリオは以下となる。
① 高値圏レンジ
② 利益確定による調整
③ 再びショートカバー上昇
1570の想定レンジは
49,500円〜51,500円
を意識する。
特に重要なのは
50,000円ライン
である。
ここを維持できれば、押し目買いが入りやすい。
逆に割り込む場合は
49,000円台の再テスト
も視野に入る。
現在の相場では
方向よりもボラティリティ管理
が重要である。
<h2>閉めの言葉</h2>
暴落のあと、相場は必ず反発する。
しかしその次に訪れるのは
強いトレンドではない。
迷いの相場
である。
上がるのか。
それともまた落ちるのか。
市場参加者全員がその答えを探している。
だから相場は揺れる。
そしてその揺れの中で、
冷静に流れを見ている者だけが次のチャンスを掴む。
焦らない。
飛びつかない。
流れを確認する。
乱高下の相場で生き残るために必要なのは、
結局のところ
冷静さ
なのである。

