戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、前夜の米国市場急騰と地政学リスクの後退を受け、「初動の波乗り+買い一巡後の戻り売りに警戒」を基本方針としていた。
想定レンジは「45,500円 〜 47,500円」と設定し、寄り付き直後のギャップアップには順張りで付いていくものの、上値(日経平均52,500円〜53,000円水準)では利益確定売りに押されるリスクを想定。強気一辺倒にはならず、慎重に利確を進めるというシナリオを描いていた。
実際の値動き

結論から言えば、本日の相場は我々の想定レンジを遥かに凌駕する「猛烈な踏み上げ相場」となった。
■日経225
・始値 51,959円
・高値 53,739円(※データ上の安値53,902円の記録はボラティリティのバグを疑うほどの乱高下を示唆)
・安値 53,902円(同上)
・終値 53,739円(前日比 +2,675円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 46,750円
・高値 48,330円
・安値 46,470円
・終値 48,330円(前日比 +4,440円)
寄り付きから想定レンジの上限(47,500円)に近い46,750円でスタートした1570は、一時の押し目(46,470円)を作った後、引けにかけてほぼ一本調子で上昇を続けた。終わってみれば高値引けの48,330円と、ショート勢を完全に焼き尽くす圧倒的な強さを見せつけた。
テクニカル分析(1570チャートより)
添付のチャートを確認すると、本日の強さがテクニカル面でも明確に裏付けられている。
・MACD:DIF(184.392)がDEA(177.438)を明確に上回り、ヒストグラムもプラス圏で推移。上昇モメンタムが1日を通して継続していたことがわかる。
・移動平均線:前日までの下落トレンドを窓開けで一気に突破し、短期線を完全に上抜けた強い陽線を形成。
・RSI(相対力指数):チャート上の勢いから推測するに、急速に買われすぎの水準(70オーバー)に接近している可能性が高いが、本日のような強いトレンド相場ではRSIの高止まりが継続しやすい点に留意が必要である。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
5,400円〜7,500円
■本日の値幅
1,900円
明日の相場を占う上で、この2つのデータは極めて重要な判断材料となる。前日(2,800円)から値幅が1,900円へと縮小したものの、依然としてボラティリティは高い状態にある。
また、乖離値が「5,400円〜7,500円」と高水準を維持している点にも警戒が必要だ。これだけ急激な上昇を演じたにもかかわらず乖離が残っているということは、テクニカル的な歪みが完全に解消されていないことを意味する。明日以降、この乖離を埋めるための調整(急反落)が来るのか、それともこのままトレンド転換として上値を追うのか、極めて重要な局面となる。
反省
本日の最大の反省点は、「日経平均のロイター予測(上限53,000円)および、NF日経レバの自らの想定レンジ(上限47,500円)を共に大きく上回る強さを過小評価していた」ことである。
買い一巡後の戻り売りを警戒しすぎた結果、後場にかけての「売り手不在のジリ上げ」を取りこぼす、あるいは早すぎる利確をしてしまった投資家も多かったのではないだろうか。市場のショートカバーのエネルギーは、想定を軽く超えてくるという事実を改めて肝に銘じたい。これが単なる「強力なリバウンド(ショートカバー)」なのか、それとも本格的な「トレンド転換」なのか、明日以降の動きで真価が問われる。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
4月に入り1日の日経平均は5日ぶり大幅反発。終値は2675円高の53739円。米国株が戦争終結期待から大幅高となった流れを受けて、寄り付きから800円を超える上昇を見せた。主力銘柄の多くが買い気配スタートとなり、すぐに上げ幅を4桁に拡大。
特筆すべきは、キオクシアホールディングスやアドバンテストなどグロース系の人気銘柄が強く買われ、リスク選好ムードが強まった点だ。売り手不在の様相が強まる中、終盤にかけて上げ幅を2600円超に拡大し高値引けとなった。東証プライムの売買代金も概算で7兆3500億円と活況。非鉄金属、銀行、機械などが大幅上昇し、下落業種はゼロという全面高の展開であった。
買い優勢金額は1.36兆円、売り優勢金額は1.08兆円と、資金流入の強さが明確に表れている。
本日の注目銘柄
本日の相場を牽引した、あるいは特徴的な動きを見せた銘柄を整理する。
・ソフトバンクG(9984):傘下アームの10%超急騰を好感し反発。しかし買い一巡後は戻り圧力も表面化。
・三菱重工業(7011):SMBC日興が目標株価を6300円に引き上げ。防衛・原子力関連のカタリストが豊富で大幅高。
・ソニーG(6758):中国TCLとのホームエンターテインメント領域での戦略的提携・合弁会社設立を好感し大幅続伸。
・QPSHD(464A):小型SAR衛星コンステレーションの実証事業を内閣府から落札し、後場に上げ幅を拡大。
・パワーエックス(485A):大型定置用蓄電システムなど約53億円の大口案件受注で買い気配。
■全体動向トップ
・値上がり率トップ:古河電気工業(5801)(+12.87% / 32,490円)
・値下がり率トップ:ネクソン(3659)(-4.76% / 2,789.5円)
次回戦略
本日の圧倒的な大陽線を受け、明日(4月2日)の戦略は非常に悩ましいものとなる。
「トレンド転換」と判断して強気に上値を追う順張り戦略か、あるいは「過熱感からの自律反落(乖離埋め)」を狙った逆張り戦略か。本日の値幅1,900円、乖離値5,400〜7,500円というデータは、明日も上下どちらかに大きく振れるボラティリティの高さを示唆している。
まずは本日の高値(日経平均53,700円台、1570の48,300円台)をブレイクできるかが焦点となる。寄り付き後、高値掴みを警戒しつつ、買いの勢いが継続するのか、それとも本日の急騰に対する利益確定売りが先行するのかを見極めたい。想定レンジの見直しと、素早い損切りラインの設定が必須となるだろう。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。前日の絶望的な消耗戦から一転、本日は空売り勢を焼き尽くす歴史的な急反発となった。
相場は常に我々の想定の斜め上をいく。今日の大勝に酔いしれることも、乗り遅れた焦りを感じることも、どちらも判断を狂わせるノイズでしかない。相場が発した「圧倒的な買い」という結果を謙虚に受け止めつつ、テクニカルに残る歪み(乖離)にも目を向ける。
明日の相場もまた、新しい顔を見せてくるだろう。焦る必要はない。相場の声に、静かに耳を傾けるだけでいいのである。


