■ 戦略のまとめ
前日の米株市場が地銀信用不安と米中対立懸念で下落、為替は150円割れと円高進行。
日経先物は48,060円まで軟化し、寄り付きから売り先行を想定。
NF日経レバ(1570)は「下値を試す展開」を前提に、想定レンジを39,700〜40,300円と設定。
過熱感の残る中での押し目狙い、MACDのゴールデンクロス見送りならポジション軽めを維持する方針とした。

■ 実際の値動き
日経225は始値47,820円/高値48,140円/安値47,494円/終値47,582円(前日比-695)。
NF日経レバ(1570)は始値39,330円/高値39,920円/安値38,840円/終値38,930円(前日比-1,220)。
寄り付き直後から大きく売りが入り、午前11時前後に急落。午後は38,800円台を下値に持ち直しを試みたが戻りは鈍く、安値圏で引けた。
チャートではボリンジャーバンドが下方に拡張し、ローソク足は下限(-2σ)を這う形。
MACDもデッドクロスを維持し、DIFとDEAの乖離が拡大。短期的な下降トレンドが明確となった。
出来高は午前11時台に急増しており、下落に伴う投げ売りと短期リバウンド狙いの交錯が確認できた。
■ 本日の日経225とNF日経レバの乖離値および値幅
- 乖離値:8,600〜8,200円
- NF日経レバ(1570)値幅:1,100円
乖離は想定内の範囲ながら、値幅は予想(約800円)を大きく上回った。
米株安と為替の円高進行がダブルで重なり、指数以上にレバレッジ型ETFの下げが加速した格好だ。
■ 反省
ロイターの想定レンジ(47,800〜48,300円)を下抜け、NF日経レバも39,000円を割り込む展開となった。
米国発の金融不安という外的要因だけでなく、国内では国民民主党・玉木代表の公明党協力発言を受け、
次週の政局不透明感が嫌気されたことも市場心理を冷やしたと考えられる。
結果として、リバウンド狙いの買い場は訪れず、
「待つ勇気」を実践できた投資家のみが損失を最小限に抑えられた一日だった。
■ 東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
17日の日経平均は3日ぶり大幅反落(-695円の47,582円)。
米地銀の不正融資報道をきっかけにリスク回避姿勢が強まり、
ドル円が150円を割り込むと自動車株や銀行株を中心に売りが膨らんだ。
後場には一時700円超の下げ幅を記録し、終盤まで弱い地合いが続いた。
東証プライムの売買代金は約5兆900億円と商いは活発。
業種別では「その他製品」「食料品」などディフェンシブ銘柄が買われた一方、
「保険」「銀行」「証券」が大幅安。
TOPIX構成銘柄の約75%が25日移動平均線を下回り、調整局面入りを示唆している。
■ 本日の注目銘柄
- $AREホールディングス(5857):金相場高騰を背景に大幅続伸。4日連続で史上最高値を更新。
- $川崎重工業(7012):独防衛企業との技術協力報道で後場下げ幅縮小。
- $SUBARU(7270)/$トヨタ(7203):円高進行で自動車株軟調。
- $三菱UFJ(8306):米金融株安を受け反落、金融セクター全体が重し。
- $イオン(8267):値上がり率トップ(+3.74%)。生活防衛銘柄として資金流入。
■ 次回戦略(10月18日予想)
MACD・RSIともに下降トレンドを継続しており、
短期的には38,800円割れリスクを警戒。
一方でボリンジャーバンド下限への接触が続いており、
オーバーシュートによる自律反発のタイミングも近い可能性がある。
為替が149円台で安定するようなら、午前中にかけて**短期リバウンド(39,200〜39,600円)**を想定。
ただし、米地銀問題が拡大する場合は38,500円台への下押しも視野に入れる。
戦略としては「下値を追わず、39,000円割れ拾い・39,600円戻り売り」が妥当な構えだ。
■ 閉めの言葉
本日の市場は「恐怖と冷静さの狭間」にあった。
熱狂の裏で、冷たい現実が顔を出す──それが相場の常だ。
今はただ、焦らず、静かに波の反転を待つ時期。
次の一手は、沈黙の中で磨かれる。