■ 戦略のまとめ
当日の想定レンジは 43,700〜44,200円。
寄り付き直後の押し目買いを基本戦略とし、44,000円台前半での一部利確を推奨する方針で臨んだ。
為替が151円台に戻る場合は43,400円付近での買い増しを想定しており、「深追いせず・拾いすぎず」を徹底する構えであった。

■ 実際の値動き
日経平均は 始値50,453円、高値51,412円、安値50,365円、終値51,307円(前日比+1,088円) と急反発。
ロイター予測レンジ(50,400〜50,700円)を大きく上抜け、27日の史上最高値をも更新した。
これを受けてNF日経レバ(1570)は 始値44,170円、高値45,510円、安値44,050円、終値45,350円(前日比+2,020円) と4.66%の急騰。
寄り付き後の勢いは強く、午前10時過ぎにはボリンジャーバンド上限(約45,000円)を突破。
その後一時的に押し目を作ったものの、午後には再び買いが優勢となり、高値圏を維持したまま引けた。
チャート上では5本移動平均線が20本線を上抜ける強気のクロスが確認され、
MACDもシグナルを再度上抜けしており、短期的な上昇トレンド再開を示唆している。
RSIは70台手前まで上昇し、やや過熱気味ではあるが、モメンタムの強さを裏付ける動きである。
■ 本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
- 乖離値:6,300〜5,900円
- NF日経レバの値幅:1,400円
前日の乖離値(7,000〜6,700円)から縮小傾向にあるものの、依然として高水準。
これは日経平均に比してレバETFが強い値動きを見せており、短期資金の流入が増していることを意味する。
値幅も650円から1,400円へと倍増し、ボラティリティが顕著に拡大した日であった。
■ 反省
想定レンジを大幅に上抜ける展開となり、押し目買い戦略は機能したものの、利確判断が早すぎた点が悔やまれる。
日米首脳会談が市場心理を大きく改善させ、日経平均を一気に押し上げた。
トランプ・高市ラインによる政策期待の再燃がリスクオンを誘発し、投資家の買い意欲が再点火した格好である。
ただし、ヒートマップ上では上昇がアドバンテスト1銘柄に偏重しており、
TOPIXはむしろマイナス圏で終えるなど、相場全体の強さとは言い難い。
実質的には「一銘柄主導の強気相場」であり、過熱感の蓄積には注意が必要である。
■ 東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
日経平均は前営業日比+1,088円高の51,307円で大幅反発。
米国株高を背景に買いが先行し、前場のうちに5万1,000円を突破。
特に アドバンテスト(6857) がストップ高まで買われ、
単独で日経平均を約1,000円押し上げるという異例の構造となった。
一方、TOPIXは7.63ポイント安の3,278で終え、
値上がり銘柄よりも値下がり銘柄が多いという歪な相場構成。
電機・非鉄金属・建設は上昇したが、不動産・空運・パルプ紙は軟調。
政治面では自民・維新両党が政策決定枠組みで合意。
また、トヨタが対米投資継続と「逆輸入」に前向きな姿勢を示したことも好感材料となった。
一方で、ニデックの評価取り下げや不動産株の軟調が、市場の上値を抑える要因となった。
■ 本日の注目銘柄
- アドバンテスト(6857):業績上方修正とAI関連思惑で22%高、ストップ高。
- 関電工(1942)・きんでん(1944):業績上方修正を受け、電力工事関連株が一斉高。
- 日本瓦斯(8174):自社株買いと好決算で急反発。
- グローバルXウラニウムビジネスETF(224A):米原子力関連株高に連動し大幅上昇。
アドバンテスト主導の上昇ながら、電力関連や資源関連にも資金が循環しつつある点は次のテーマ転換を示唆している。
■ 次回戦略(10月30日)
テクニカル的にはNF日経レバがボリンジャーバンド上限(45,700円前後)に接触。
RSIも70台に入り、短期的な調整リスクが高まりつつある。
一方でMACDは依然上向きで、モメンタムの維持が確認できる。
翌日は 44,800〜45,600円 のレンジを想定。
寄り付きでの過熱感を見極め、前場に利確→後場に押し目拾いのリズムを意識したい。
特に、為替が151円台へ再び動くようであれば、レバETFの反落も早いと想定しておく必要がある。
■ 閉めの言葉
今日の急騰はまさに「一銘柄の力が市場を動かした日」であった。
熱狂の中にも冷静さを保ち、波の高さよりも“リズム”を読むことが次の勝機を導く鍵だ。
浮かれず、怯まず、静かに相場と対話を続けたい。

