戦略のまとめ
本日の戦略では、米国株の急落を受け43,300〜44,300円の想定レンジを設定し、43,000円割れを押し目買いポイントと判断した。
リスクオフの流れとVIX高止まりを踏まえつつ、5万円割れは自律反発が入りやすいと見立てた。

実際の値動き
添付チャートでは、寄り付き直後の急落から一時43,070円まで売られ、その後は方向感のない横ばい基調となった。
ローソク足とボリンジャーバンドを見ると、前場の急落で-2σ付近まで一気に下落した後、バンド幅が収縮し停滞感が強まった流れである。
- 日経225:始値 50,767 / 高値 50,767 / 安値 50,246 / 終値 50,376(-905)
- NF日経レバ(1570):始値 43,210 / 高値 44,090 / 安値 43,070 / 終値 43,440(-1,600)
前場で安値をつけてからは戻りきらず、引けに向けてじり安という典型的な弱気相場の形となった。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値・値幅
本日の乖離値は6,200〜6,700円、値幅は1,000円。
昨日に比べ乖離が拡大しており、レバレッジETF特有のボラティリティ増加が鮮明になった。
日経の下落幅905円に対し、1570は1,600円下落しており、レバレッジ2倍としてはやや弱めの反応であった。
これは寄り付き後の戻りが限定的で、値幅こそ出たものの終日重い展開だったことを示す。
テクニカルの振り返り(添付チャート分析)
■移動平均線
短期線は急角度で下向き、中期線を割り込み、明確なデッドクロス状態。
相場全体のトレンド転換を示唆し、買いが入りにくい地合いが確認できる。
■MACD
MACDはゼロライン下で弱いゴールデンクロス気味の動きとなったが、ヒストグラムは再び縮小。
戻り売り圧力が強く、トレンド転換の兆しとは言えない。
■KDJ(ストキャスティクス)
Kライン(30.6)・Dライン(34.9)ともに低位で推移し、売られすぎ圏からの脱出を試みたが継続力は弱い。
短期反発はあっても大きく買い戻される地合いではないことが見て取れる。
反省
米国株急落の影響を踏まえつつも、43,300〜44,300円という想定は妥当であったが、実際の安値43,070円を踏まえると、もう一段深い下げも織り込むべきだった。
ただし暴落下でも誤差300円は抑えられたため、トレンドの読みは大きく外れていないと見ている。
日米とも保守政権下での一時的な下げと考えたいが、VIX高騰局面では反発への期待は慎重に扱う必要がある。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
本日は米国株の大幅安を受け、寄りから大幅ギャップダウン。
日経平均は開始直後に安値をつけてから下げ渋ったが、戻りは弱く、後場には再び4桁下落を試す展開となった。
半導体・AI関連株が利食い売りで崩れ、特に米ハイテク安が東京市場にも直撃。
一方で内需株の一角が買われ、全面安とはならなかった点は底堅さの一部材料と言える。
業種別では鉱業や不動産、繊維製品が上昇する一方、電気機器・非鉄金属が売られた。
ドル円は154円台半ばを推移したが、リスクオフによる円買いで153円半ばまで下落する局面もあった。
本日の注目銘柄
- ソフトバンクG(9984):AI関連の利食い売りで弱い。
- アドバンテスト(6857)・東京エレクトロン(8035):米SOX安の直撃で大幅下落。
- 荏原製作所(6361):精密・電子事業の受注高下方修正でストップ安水準へ。
- 伊藤忠食品(2692):TOB観測で急騰し16%高。
- リミックスポイント(3825):7.8倍増益で急伸。
- INPEX(1605):自社株買い枠拡大で反発。
次回戦略(翌11月17日への展望)
・5万円割れが続く場合、さらに49,500円〜49,800円の下値固めを意識する必要がある。
・乖離値6,200〜6,700円は依然として広い水準であり、レバETFの値動きは荒れる可能性が高い。
・NF日経レバの想定レンジは42,800〜44,000円へ調整。
・リバウンド狙いの短期買いは、MACDの明確な反転、または5万円定着が必要条件。
・VIXが低下するまで無理に勝負しない。
閉めの言葉
今日の暴落は相場の難しさを改めて思い知らせる一日であった。
しかし大きく崩れた局面こそ、次のチャンスの入口となる。
焦らず、波を読む姿勢を持ち続け、明日の相場と丁寧に向き合いたい。

