戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、米国ハイテク株高という強い買い材料と、日米財務トップ会談前の様子見という売り材料が交錯する環境下で、「寄り付きの順張りと、上値圏での機敏な利益確定」を基本方針としていた。
前日の値幅2,100円という高いボラティリティを考慮し、想定レンジは「64,500円 〜 65,800円」に設定。米国株高を受けた半導体関連の買い先行に乗りつつも、日経平均が63,000円に迫る局面では上値が重くなると判断し、新規の高値追いは厳禁とし、レンジ内でのこまめな利益確定による立ち回りを推奨するシナリオを描いていた。
実際の値動き

結論から言えば、本日の相場は日経平均全体としてはロイター予測に沿った反発となったものの、日中の値動きは極めて荒く、NF日経レバにおいては事前の想定レンジを一時大きく下掘る「波乱含みの地固め相場」となった。
■日経225
・始値 62,618円
・高値 63,218円
・安値 62,158円
・終値 62,742円(前日比 +324円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 65,150円
・高値 65,870円
・安値 63,710円
・終値 64,830円(前日比 +520円)
日経225は米国株高を受けて3桁上昇スタート。序盤は上値を試し、上げ幅を800円超に広げて63,200円台に乗せた。ここまでは想定内の強さであったが、買い一巡後に半導体株などに値を崩す銘柄が出ると相場は急失速し、一時マイナス圏に沈む展開に。しかし、そこからすぐに切り返して再びプラス圏へ浮上し、後場は300円超の上昇で安定して取引を終えた。
NF日経レバ(1570)は、始値65,150円から高値65,870円と想定レンジ上限ピタリまで上昇した後、急転直下の売りを浴びて安値63,710円まで下落。想定レンジの下限(64,500円)をあっさりと下掘る展開となったが、引けにかけては買い戻され、64,830円で着地している。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日の「image_46.png」のチャートからは、方向感の喪失と激しい需給のぶつかり合いが読み取れる。
・ローソク足と移動平均線:寄り付きからボリンジャーバンドの+1σ〜+2σ付近まで上昇するも、そこから大陰線を連続させてミッドバンドや-1σすらも下抜ける急落。その後はV字回復を見せ、後場はミッドバンド(64,814円付近)にまとわりつくように極めて狭いレンジで横ばい推移となった。
・MACD:午前中の急落によってMACD線がシグナル線を下抜けるデッドクロスを形成し、ヒストグラムはマイナス圏へ拡大。しかし後場の横ばい推移によって2本の線はほぼ重なり合い、トレンドレスな状態に陥っている。
・RSI(相対力指数):午前中の乱高下で大きく上下に振れた後、後場は中央付近で落ち着きを取り戻しており、買いと売りのエネルギーが一旦均衡したことを示している。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
-2,500〜-1,600円
■本日の値幅
2,100円
明日の相場を占う上で、この2つのデータは「ボラティリティの高止まりと需給の歪み」を警告している。
乖離値が「-2,500〜-1,600円」という大きなマイナス圏で推移したことは、寄り付き直後の急騰とそこからの急落という激しいスピードに対して、レバレッジETFの価格形成が不安定になっていた証拠である。
さらに警戒すべきは、値幅が前日と同じ2,100円を記録したことである。連日で2,000円を超える乱高下を繰り返しており、市場は決して安定していない。「反発」とはいえ、実態は荒波の中での「地固め」の段階に過ぎないことを肝に銘じる必要がある。
反省
本日の最大の反省点は、「日経平均の反発を見込んだものの、利益確定売りの波及による下落スピードを甘く見積もり、NF日経レバの想定レンジ下限(64,500円)を高く設定しすぎてしまったこと」である。
相場が63,000円台に乗せた達成感からの急失速は、想定以上のスピードであった。レンジを下掘る展開に対応しきれず、ストップロスの設定や下値での待ち伏せの重要性を改めて痛感する結果となった。力強い反発というよりは、不安定な中での地固め相場であったと総括できる。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
12日の日経平均は3日ぶり反発。終値は324円高の62,742円。米国株高を受けて3桁上昇スタートとなり、序盤は63,200円台まで上げ幅を拡大した。
しかし買い一巡後に半導体株などが値を崩すと急失速し、一時マイナス圏に沈む波乱の展開に。それでも下値では買いが入り、すぐに切り返して後場はプラス圏が定着して取引を終えた。一方、グロース市場では直近で強く買われていた銘柄群に激しい利益確定売りが入り、グロース250指数は2%を超える下落となった。東証プライムの売買代金は概算で10兆4,300億円。業種別ではその他金融や非鉄金属が上昇した一方、水産・農林や小売が下落。買い優勢金額1.65兆円に対し、売り優勢金額1.65兆円と、プライム市場全体の需給は完全に拮抗していた。
本日の注目銘柄
本日は、企業の決算発表が相場の明暗を大きく分ける「決算プレー」が極まった1日であった。
・古河電気工業(5801):本決算の好調な見通しと1:10の株式分割発表が好感され、値上がり率トップ(+16.12% / 50,430.0円)のストップ高。フジクラ(5803)など電線株への波及も見られた。
・マツダ(7261):27年3月期の営業益2.9倍という強気計画を発表し、一時ストップ高まで急騰。
・川崎重工業(7012):今期最終益の増益見通しと大幅増配が好感され買い気配。
・三菱重工業(7011):今期最高益更新見通しも、受注高減少予想が嫌気され後場一段安。200日線を割り込む。
・東邦チタニウム(5727):親会社であるJX金属の急落(決算見通しがコンセンサス下振れ)に連れ安し大幅安。
・Terra Drone(278A)、パワーエックス(485A):前日ストップ高などで賑わっていたグロース市場のスター銘柄が一転してストップ安水準まで急落。短期資金の逃げ足の速さが際立った。
・LINEヤフー(4689):売りが優勢となり、値下がり率トップ(-8.62% / 410.1円)。
次回戦略
連日の値幅2,100円という荒波に揉まれながらも、日経平均の反発と需給の拮抗は、相場が新たな地盤を形成しようとしている証拠でもある。
次回戦略:「ボラティリティの警戒継続と、好業績銘柄への個別物色」
明日(5月13日)のNF日経レバ(1570)は、本日の乱高下の余熱を引き継ぎつつも、方向感を探る展開をメインシナリオとする。コアレンジは本日の値動きを内包する形で「63,500円〜66,000円」と広く構える。基本戦略は「トレンドレスなレンジ相場を想定した、引き付けての逆張り」とする。ハイテク主導の相場から、本日の古河電工やマツダのように「決算を無難に通過、あるいはポジティブサプライズを出した実需銘柄」へと資金がシフトし始めている。指数全体の上値追いは慎重に構え、下値支持線での確実な反発を確認してからのエントリーを心掛けたい。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。今日の相場はまさにその言葉を体現するような、投資家を振り落とすためのジェットコースターであった。
前日の急落の恐怖が残る中での急反発、そしてそこからの再度の急落。このような相場環境で、自らの想定レンジを下抜け、心が折れそうになった投資家も少なくないだろう。しかし、相場が「反発」という結果を残し、需給が拮抗して引けたことは、市場がまだ強さを保とうとしていることの証明である。
焦る必要はない。乱高下する相場は、それだけエネルギーが有り余っている証拠でもある。方向感が定まるまでの「地固め」の期間は、我慢のしどころだ。自らの資金管理のルールを固く守り、明日も気まぐれな相場の声に、静かに耳を傾けるだけでいいのである。

