戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、前日の歴史的大暴落と米国ハイテク株の急落、VIX指数の急上昇を受け、「値幅6,700円のシコリを警戒し、冷徹な引き付けに徹する防衛的逆張り」を基本方針としていた。
想定レンジは「77,000円 〜 80,000円」と大幅に下方修正し、落ちてくるナイフは掴まず、パニック売りが一巡した後の短期リバウンドのみを狙うシナリオを描いた。朝方の投げ売りが枯渇し、チャート上で明確な下げ止まりを確認できた局面でのみ打診買いを入れ、自律反発局面では欲張らずに徹底して利益を確定させる防衛的トレードを貫徹する構えであった。
実際の値動き

本日の相場は、米国株安を受けて下落スタートとなり、場中は強弱感が激しく交錯。急反発と急失速を繰り返す非常に不安定でボラティリティの高い、神経をすり減らす1日となった。
■日経225
・始値 69,615円
・高値 70,218円
・安値 68,461円
・終値 69,174円(前日比 -613円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 78,500円
・高値 79,920円
・安値 75,950円
・終値 77,660円(前日比 -1,480円)
日経225は下落スタート後、序盤に下を試してから鋭角的に切り返し、一時はプラス転換して70,200円台に乗せる力強さを見せた。しかし、そこから急失速して再びマイナス圏へ沈下。後場に入ると下げ足が早まり、一時は1,300円超も下げて68,400円台へと突入した。その後、売り一巡からようやく値を戻すという、ジェットコースターのような値動きの末、613円安の69,174円で取引を終えた。
NF日経レバ(1570)も、始値78,500円から朝方に高値79,920円をつけて想定レンジ上限に迫ったが、そこから激しく売り込まれた。後場には事前の想定レンジ下限(77,000円)を無残に突き破り、安値75,950円という底なしの谷を形成。終盤の買い戻しで終値は77,660円(前日比-1,480円)と、かろうじて想定レンジ内に戻して引けたものの、買い方にとって非常に苦しい展開となった。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日の「image_20.png」の5分足チャートを見ると、激しい売り圧迫と底値での攻防が鮮明に記録されている。
- ローソク足と移動平均線:朝方の急反発でボリンジャーバンドの上限(UPPER2付近)にタッチした直後から、長い陰線を連続させてミッドバンド(20本移動平均線)をデッドクロス。そのままバンド下限(LOWER2からLOWER3)に沿って急角度で下落するバンドウォークを形成した。13時半過ぎにLOWER3を突き抜ける75,950円の底を打った後、ようやく反発基調となり、引けにかけてはミッドバンド付近まで値を戻す「往復ビンタ」の形状となっている。
- MACD:朝方のピーク時にデッドクロスを形成した後、ヒストグラムは深いマイナス圏へと拡大し続けた。しかし、13時半の大底付近で下げ止まると、緩やかにゴールデンクロスに向かって収束し始め、引けにかけては売り圧力が後退している様子が窺える。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
-9,700〜-7,500円
■本日の値幅
4,000円
明日以降の戦略を練る上で、本日のデータは相場環境の「変化の兆し」と「依然残る危険性」の両方を示している。
まず、値幅は4,000円と、昨日の6,700円からは縮小したものの、依然として平時とはかけ離れた巨大なボラティリティが継続している。少しのニュースや需給の偏りで数千円が吹き飛ぶ相場環境は健在だ。
一方で、注目すべきは乖離値が「-9,700〜-7,500円」と、ついに1万円の大台を割り込んで縮小してきた点である。レバレッジETF側の異常な売り残(ショートポジション)の買い戻しや、強制的な損切りが進んだことで、需給の極端な歪みが徐々に解消されつつある。これは「底値の盾」が薄くなっていることを意味し、これまでのような「下がれば盲目的に買い戻される」という異常な踏み上げ相場は終焉を迎えつつあると判断すべきだ。
反省
本日の最大の反省点は、「日経225のロイター予測、およびNF日経レバの想定レンジを大きく下押しし、引きつけてエントリーしたつもりが『谷が深すぎた』こと」である。
想定レンジ下限を77,000円に設定し、パニック売り一巡を待って打診買いを入れる戦略自体は方向として間違っていなかった。しかし、後場に襲ってきた売り圧力は想定を遥かに超え、75,950円まで一直線に掘り進む展開となった。ボラティリティが極大化している中では、自らが「底だ」と思ったポイントからさらに1,000円以上下落するリスクを常に内包している。引き付けたつもりでも、ストップロスをタイトに設定し、傷を最小限に抑えるリスク管理の徹底がさらに求められる1日であった。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
24日の日経平均は大幅続落。終値は613円安の69,174円。米国株安を受けて下落スタートし、場中は強弱感が交錯して不安定な動きが続いた。序盤で下を試した後、いったん鋭角的に切り返してプラス転換し、上げ幅を400円超に拡大して70,200円台に乗せた。しかしそこで急失速し、再びマイナス圏に沈んだ。
200円を超える下落で前場を終えると、後場はしばらく下を試す流れとなり、69,000円の節目を割り込んだ。一方、1,300円超下げて68,400円台に入ったところで売りが一巡すると、以降は値を戻した。振れ幅の大きな動きが続き、600円を超える下落となったものの、69,000円は上回って取引を終えた。東証プライムの売買代金は概算で12兆5,100億円。東証プライム市場では、買い優勢金額は1.94兆円、売り優勢金額は2.1兆円となった。
本日の注目銘柄
本日は全体が不安定な値動きとなる中、個別の材料やアナリストの評価によって明暗が分かれる展開となった。
- シャープ(6753):鴻海精密工業と新規事業における戦略的協業に関する覚書を締結したと発表したことが強烈な買い材料となり、後場に急騰して日経構成銘柄の値上がり率トップ(+15.14%)に躍り出た。
- ソニーグループ(6758):みずほ証券が「事業間協業強化による相乗効果創出」を高く評価し、目標株価を5,830円へと引き上げたことで反発。
- トライアルホールディングス(141A):西友買収資金の協調融資への借り換えを発表し、資金繰りへの懸念が後退したとの見方から続急伸した。
- 三菱化工機(6331):日本製鉄から高炉プロセスから電炉プロセスへの転換に係る中型水素製造装置を受注したと発表し、しっかりとした値動きを見せた。
- 楽天グループ(4755):米衛星通信企業と日本で衛星事業を手がける新会社を設立し、スターリンク陣営に対抗するとの報道が好感され、5日ぶりに反発。
- 東京エレクトロン(8035):米SOX指数の大幅下落や、韓国SKハイニックスのHBMチップ生産抑制の報道を嫌気し、国内のAI・半導体関連株が軒並み売られる中で大幅続落となった。
- T&Dホールディングス(8795) / 第一生命ホールディングス(8750) / 東京海上ホールディングス(8766):保険株の弱さが目立ち、T&Dホールディングスは値下がり率トップ(-5.74%)となった。
次回戦略
日経平均は乱高下の末に69,000円台を維持したものの、依然として下値不安が払拭しきれない状況が続いている。乖離値が縮小し、かつての「無敵の盾」が失われつつある今、トレードの難易度は一段と跳ね上がっている。
次回戦略:「縮小する乖離値と残存する高ボラティリティ。底打ち確認後の慎重なレンジトレード」
明日(6月25日)のNF日経レバ(1570)は、本日の「75,950円」という深い谷が大底として機能するかどうかを見極める1日となる。コアレンジは本日の値動きとボラティリティを考慮し、「76,000円 〜 79,500円」に設定する。
基本戦略は、「打診買いは極限まで引き付け、反発は欲張らずに刈り取る」というシビアなレンジトレードの継続である。乖離値が1万円を割り込んできたことで、売り方の強制買い戻しパワーは明らかに弱まっている。したがって、安易に「ここまで下がれば反発するだろう」という思い込みは捨てなければならない。朝方に下値を試す展開となれば、本日の安値(75,950円付近)でのダブルボトム形成や、MACDの明確なゴールデンクロスなど、テクニカルな反転サインを待ってからエントリーする。そして、反発局面では79,000円台に控える戻り売り圧力を警戒し、早め早めの利益確定で資金を回転させることを最優先とする。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。昨日の歴史的暴落から一夜明け、今日もまた値幅4,000円という容赦ない荒波が我々に襲いかかった。「十分に引き付けたつもりだったのに、谷が深すぎた」と、後場の急落で恐怖に震えながら損切りボタンを押した投資家も多かったことだろう。
しかし、それが相場という荒野の現実だ。異常なマイナス乖離という魔法の盾は少しずつ薄れ、市場は本来の冷酷な需給バランスを取り戻そうとしている。これからは、甘い期待は一切通用しない、真の資金管理とテクニカル分析の精度が問われる戦いが始まる。
深く抉られた傷跡を見て焦る必要はない。今日一日、この激しい往復ビンタの相場で生き残り、こうしてチャートを振り返ることができている自分をまずは褒め称えよう。相場は逃げないし、チャンスは必ずまた巡ってくる。今日経験した「深すぎる谷」の恐怖を忘れることなく、自らのルールをさらに強固に研ぎ澄まし、明日もまた、冷徹な心で相場という猛獣に対峙していこう。

