前日を振り返って:日米金利高の重圧に屈し、底値を探る大幅続落
前営業日である5月18日の相場は、事前の「上値の重い展開」という予測通り、日米の長期金利上昇という強烈な重しを跳ね返すことができず、下値模索を継続する「大幅な続落相場」となった。
日経225は米国株安を受けて下落スタートし、キオクシアHDのストップ高という局所的な好材料があったものの、相場全体への波及は見られなかった。金利上昇を警戒した幅広い銘柄への売り圧力が強く、一時は60,300円台まで水準を切り下げ、終値は60,815円(前日比-593円)と61,000円の大台を割り込んで引けた。NF日経レバ(1570)も同様に、高値62,900円から安値60,050円まで下落し、終値は60,970円(前日比-1,270円)と苦しい着地になっている。
明日の相場を占う上で警戒すべきは、前日の乖離値(-1,500〜300円)と、依然として高い値幅(2,900円)である。前週末の歴史的暴落(4,700円幅)からはやや落ち着きを見せたものの、2,900円という変動幅は依然として極めて高いボラティリティ環境にあることを示している。マイナス乖離が継続している点も含め、市場がまだセリングクライマックスの余波の中にあり、レバレッジETFの価格形成が不安定な状態(減価リスク)が続いている証拠である。
寄り前情報:中東リスク後退の買い戻しと、米ハイテク安・金利急騰の板挟み
本日の相場環境は、好悪の材料が激しくぶつかり合う「板挟み」の様相を呈している。
プラス材料としては、地政学リスクの後退が挙げられる。トランプ米大統領がSNSでイランへの軍事攻撃延期を表明したことで、過度に警戒されていた中東情勢への懸念が一旦和らいだ。一時109ドル台まで急騰していた米WTI原油先物も107ドル付近へと落ち着きを見せており、この報道を好感した買い戻しが本日の寄り付きをサポートするだろう。
しかし、マイナス材料の「重さ」はそれを上回るかもしれない。昨晩の米国市場では、米国債利回りの急上昇とインフレ懸念から、ハイテク株比率の高いナスダック総合が1.5%安と続落した。さらに国内に目を向ければ、18日の新発10年国債利回り(長期金利)が一時2.800%と、1996年10月以来「29年半ぶりの高水準」を記録している。
ロイターの予測によれば、本日の日経平均は中東懸念後退で「反発して始まる」ものの、米ハイテク株売りや国内金利急騰が重しとなり、「買い一巡後は上値が重くなりやすい」とされている。日経平均の予想レンジは60,500円─61,400円と設定されており、朝方の高値を維持しきれず、半導体関連を中心に売りに押される展開(寄り天)が濃厚と見られている。
本日の戦略:寄り天への警戒と、戻り売りの徹底によるリスク管理

中東懸念後退による「寄り付きの反発」と、歴史的な金利急騰による「上値の重さ」、そして前日の値幅2,900円というボラティリティを考慮し、本日のNF日経レバ(1570)の想定レンジは以下のように設定する。
想定レンジ:60,200円 〜 62,300円
基本戦略:「朝方の反発には乗らず、引き付けての戻り売り」
本日は、寄り付きの買い戻しが一巡した後に金利高の重圧で垂れてくる「寄り天(初値が高値となる展開)」をメインシナリオとし、上値での戻り売りを基本方針とする。
- 61,800円〜62,300円の上値圏(朝方の反発と戻り売りの徹底):
中東リスク後退を好感し、寄り付きはギャップアップでのスタートが予想される。しかし、国内金利が2.8%という未知の領域に突入している中、指数寄与度の高い半導体株が買い進まれる環境にはない。朝方の反発局面は、前日までに捕まっている投資家の「絶好の逃げ場(やれやれ売り)」となる。この水準での新規の高値追いは厳禁とし、打診で空売り(あるいはベアETFの検討)を狙うか、保有ポジションの利益確定に徹したい。 - 60,200円〜60,800円の下値圏(6万円大台の攻防と底値確認):
買い一巡後に相場が失速し、日経平均が60,500円付近まで下押す局面では、NF日経レバも6万円の大台割れをテストする動きとなる。ここ数日のボラティリティを考えれば、サポートラインをあっさりと下抜けるリスクも孕んでいる。自律反発を狙った安易な押し目買いは控え、前日の安値(60,050円)付近で明確なダブルボトム(底打ち)が形成されるかを慎重に見極める必要がある。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。今日の相場も、中東リスク後退という一筋の光と、29年半ぶりという歴史的な金利高の暗雲が交錯し、我々投資家を大いに悩ませる展開となるだろう。
「寄り付きが高かったから今日もいける」と飛びつけば、金利の重圧に耐えきれなくなった相場に梯子を外される危険性が高い。マクロ環境が劇的に変化している今の相場において、最も頼りになるのは自制心である。
焦る必要はない。乱高下と方向感の喪失が続く中では、休むこともまた立派な相場(投資)である。自らのリスク許容度と資金管理のルールをいま一度固く守り抜き、今日も気まぐれな相場の声に、静かに耳を傾けるだけでいいのである。

