戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、米半導体株の急伸と日経先物の強さを背景に、「異常乖離を燃料にした青天井への順張りと、急落リスクに備えた資金管理」を基本方針としていた。
想定レンジは「83,500円 〜 86,000円」と強気の高値圏に設定。寄り付きからのギャップアップスタートに追随しつつ、週末の手仕舞い売りで下押しがあれば、1万円を超える極大マイナス乖離を背当てにした押し目買いを狙うシナリオ。同時に、連騰による過熱感や為替介入リスク(1ドル161円台)に警戒し、上値追いでは欲張らず機動的な利益確定を徹底する構えであった。
実際の値動き
本日の相場は、朝方こそ力強い上昇を見せたものの、その後は急ピッチな上昇に対する高値警戒感と週末の手仕舞い売りに押され、失速を余儀なくされる展開となった。
■日経225
・始値 71,551円
・高値 71,952円
・安値 70,517円
・終値 71,250円(前日比 +196円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 83,700円
・高値 84,370円
・安値 81,150円
・終値 82,660円(前日比 +460円)
日経225は米国株高を受けて買いが先行し、開始早々に上げ幅を800円超に広げて71,900円台に乗せた。しかし、72,000円の節目を超えられずに押し戻されると、前日まで6日続伸していた高値警戒感から徐々に失速。後場に入るとマイナス圏へ転落し、一時70,500円台まで下を試す場面があった。それでも大引けにかけてはまとまった買い戻しが入り、かろうじてプラスを確保して7日続伸で取引を終えた。
NF日経レバ(1570)も、始値83,700円から一時84,370円まで上値を伸ばしたものの、事前の想定レンジ下限付近で失速。後場には81,150円まで下押しする厳しい調整を強いられたが、終盤の切り返しにより終値は前日比+460円の82,660円と、プラス圏で踏みとどまった。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日の「image_19.png」の5分足チャートを分析すると、高値圏からの手仕舞い売りと、下値での強烈な買い戻しが交錯する様子が明確に表れている。
- ローソク足と移動平均線:寄り付きでマドを空けて上昇スタートしたものの、高値をつけた直後からボリンジャーバンドのミッドバンド(20本移動平均線)を割り込み、右肩下がりの調整トレンドを形成した。13時半過ぎにはバンド下限(LOWER3付近)の81,150円まで売り込まれたが、ここが絶好の底となり反発。大引けにかけては再びミッドバンドを上抜ける力強い切り返しを見せた。
- MACD:朝方の高値圏から急角度でデッドクロスを形成し、日中はヒストグラムがマイナス圏で推移して売り圧力を示唆していた。しかし、底を打った14時前からは綺麗なゴールデンクロスを形成し、プラス圏へ急浮上して引けており、短期的な底打ち感を示している。
- KDJオシレーター(RSI相当):寄り付きの「買われすぎ」水準から、日中の下落に伴って一気に「売られすぎ」圏内へと急降下した。その後は底値からの反発に伴って適度な水準(中央付近)まで回復しており、過熱感を見事に冷ました健全な調整であったことが窺える。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
-12,400〜-10,900円
■本日の値幅
3,200円
次週の戦略を占う上で、本日叩き出されたこの2つの異常値は、相場が依然として「狂乱の渦中」にあることを警告している。
乖離値は「-12,400〜-10,900円」と、ついにマイナス1万2千円台へとさらに異常拡大した。日中これだけ深い調整を挟んだにもかかわらず、レバレッジETFの売り残(ショートポジション)は全く解消されていない。この限界突破の需給の歪みは、来週も引き続き強烈な「踏み上げ燃料(下値の盾)」として機能し続ける。
また、値幅は3,200円へと再拡大した。週末のポジション調整という要因があったとはいえ、上下にこれほど激しく振れるボラティリティは、一歩間違えれば致命傷を負いかねない危険な相場環境であることを示している。
反省
本日の最大の反省点は、「日経225のロイター予測、およびNF日経レバの想定レンジを完全に下振れさせてしまったこと」である。
米半導体株の急伸と昨日の強さに目を奪われ、想定レンジを「83,500円 〜 86,000円」とあまりに楽観的かつ高めに設定してしまった。結果として、連日の続伸による強烈な高値警戒感や、週末特有の手仕舞い売り、さらには今晩の米市場休場(ジューンティーンス)を控えた持ち高調整の売り圧力を軽視してしまった。いくらマイナス乖離が極大化しているとはいえ、一直線に上がり続ける相場はない。72,000円という大台の壁と週末要因を考慮し、よりディフェンシブなレンジ設定(下限81,000円台)を組み込んでおくべきであった。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
19日の日経平均は7日続伸。終値は196円高の71,250円。米国株高を受けて買いが先行し、開始早々に上げ幅を800円超に広げて71,900円台に乗せた。しかし、72,000円の節目を超えられず押し戻されると、その後は失速。前日まで6日続伸かつ急ピッチの上昇が続いていただけに高値警戒感が意識された。
前場はプラスをキープしたが、後場に入ると早々にマイナス転換。しばらく前日終値近辺でもみ合った後、13時を過ぎた辺りからは下を試しにいった。一方、500円超下げて70,500円台に入ったところでは下値が拾われ、大引けにかけてまとまった買いが入りプラスで終えた。プライムでは値下がり銘柄が多く、TOPIXは下落。新興銘柄が嫌われ、グロース250指数が2.9%安と大きく下落した。東証プライムの売買代金は概算で14兆0,600億円。東証プライム市場では、買い優勢金額2.42兆円に対し、売り優勢金額2.34兆円となった。
本日の注目銘柄
本日は高値警戒感から全体的に売りが優勢となる中、個別材料や証券会社の投資判断の変更によって明暗がくっきりと分かれる1日となった。
- フジクラ(5803) / 住友電気工業(5802):AIデータセンター向け光関連製品の需要拡大期待から、フジクラは本日値上がり率トップ(+15.69%)のストップ高を記録。一方、住友電工も急伸したものの、光関連製品の売り上げ構成比が劣る点からストップ高には届かず、同じテーマ内でも選別買いが進んだ。
- いすゞ自動車(7202) / SUBARU(7270):同じ証券会社による投資判断の変更で明暗が分かれた。いすゞが引き上げにより大幅上昇した半面、SUBARUは引き下げを受けて大幅下落となった。
- 日本電気(6701) / 富士通(6702) / ベイカレント(6532) / 野村総合研究所(4307):米コンサル大手アクセンチュアの業績見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、国内のソフトウェア・コンサルティング関連株が連れ安となる軟調な展開となった。
- INPEX(1605):スイス外務省の発言として「米・イラン協議は19日には開催されない」と伝わったことで地政学リスクが再燃し、原油高の思惑から後場にプラス転換した。
- 住友金属鉱山(5713):FOMC後の米利上げ観測(金利高)を背景に、金利のつかない金先物への投資妙味が低下したとの見方から下押し圧力がかかり、本日値下がり率トップ(-7.18%)の急反落となった。
次回戦略
激動の1週間を終え、日経平均は71,000円台を維持したものの、72,000円の壁の厚さと高値圏での強烈なボラティリティを見せつけられた。
次回戦略:「バグレベルのマイナス乖離を盾にした、調整後リバウンド狙いの押し目買い」
週明け月曜日のNF日経レバ(1570)は、週末の海外動向や為替を消化しつつ、依然として解消されない「-12,400〜-10,900円」という歴史的異常乖離がどう作用するかが最大の鍵となる。コアレンジは本日の激しい値動きと上値の重さを反映し、現実的な「81,000円 〜 84,000円」へと修正する。
基本戦略は、この圧倒的なマイナス乖離を背当てにした「押し目買い」の継続である。本日13時過ぎの急落局面(81,150円)で強烈な買い戻しが入ったことが証明するように、売り方は少しでも株価が下がれば慌てて買い戻し(ショートカバー)を入れざるを得ない状況に追い込まれている。週明けも寄り付きから軟調なスタートとなれば、81,000円台前半は絶好の買い場となる。ただし、72,000円大台の壁は厚いため、反発して83,500円を超えてくる局面では欲張らずに利益確定を挟み、身軽な状態で荒波を乗りこなしていく。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。日経平均が連日の続伸で「青天井だ!」と歓喜の声を上げたのも束の間、今日の午後に襲ってきた値幅3,200円の容赦ない往復ビンタは、市場が常に我々の慢心を冷酷に刈り取りに来るバケモノであることを思い出させてくれた。
朝の高値で「まだまだ行く!」と飛びついてしまい、後場の急落で青ざめながら損切りしてしまった人も多いかもしれない。しかし、その恐怖の底でしっかり切り返しを見せたチャートの形と、いまだ相場の底にどっしりと居座る1万2千円超のマイナス乖離は、この大相場がまだ終わっていないことを力強く物語っている。
焦る必要はない。今週は誰もが未経験の「7万円・8万円大台突破」という歴史的な熱狂の中で、精神を極限まで削りながら生き残ったのだ。週末は完全にチャートを閉じ、激戦ですり減った心と体をゆっくりと休めよう。相場は逃げない。この1週間で得た莫大な経験値を胸に、また月曜日、新たな相場の鼓動にブレない自分軸を持って静かに耳を傾ける準備をしよう。今週も本当にお疲れ様でした!

