戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、前日の歴史的な踏み上げ相場と極度の過熱感を警戒し、「利確優先・新規エントリーは様子見」を基本方針としていた。
想定レンジは「51,800円 〜 54,200円」と設定。米国株高を受けて寄り付きが上昇した場合は絶好の利益確定ポイントとし、新規の買いは厳禁。もし利益確定売りに押されて下値圏(51,800円付近)まで下落した場合は、前日の巨大な「窓」を埋めにいく初期動作と捉え、打診買いも検討しつつ下落の勢いを見極めるという「休むも相場」を体現する立ち回りを計画していた。
実際の値動き

結論から言えば、本日の相場は前日の熱狂から一呼吸置く、まさに事前の想定通りの「冷静な調整」の1日となった。
■日経225
・始値 56,199円
・高値 56,406円
・安値 55,763円
・終値 55,895円(前日比 -413円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 52,870円
・高値 52,980円
・安値 51,790円
・終値 52,140円(前日比 -760円)
日経225は米国株高を好感して高く寄り付くかと思われたが、前日の大幅高で好材料を先んじて消化していたため、利益確定売りに押されて下落スタートとなった。NF日経レバも始値52,870円から上値は重く、後場にかけて想定レンジの下限である51,800円付近(安値51,790円)までしっかりと押し込まれる展開となった。下値では拾われる動きも見せたが戻りは鈍く、高値警戒感が勝る形で取引を終えている。
テクニカル分析(1570チャートより)
添付の4月9日のチャートを確認すると、前日の急騰による過熱感を冷ます動きがテクニカル指標にも表れている。
・ローソク足:前日の巨大な陽線に対し、本日は陰線を形成。前日の安値を下回ることはなかったものの、上値の重さが目立つ形状となっている。
・MACD:強烈なプラス圏に急拡大していたMACDヒストグラムの伸びが鈍化している。上昇モメンタムが一旦ピークアウトし、調整局面入りを示唆する動きである。
・RSI(相対力指数):前日の急騰で「買われすぎ(70以上)」の過熱水準に突入していたRSIは、本日の反落によりやや低下し、過熱感を和らげる方向へと向かっている。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
3,400円〜4,000円
■本日の値幅
1,200円
明日の相場を占う上で、この2つのデータは「ボラティリティを伴う調整の継続」を示唆している。
乖離値は前日の「3,400円〜2,800円」からやや再拡大し、「3,400円〜4,000円」となった。テクニカルな歪みが完全に解消されたわけではなく、依然として不安定な状態が続いている。
また、値幅は1,200円と、連日の1,400円〜1,500円からはやや縮小したものの、依然として1,000円を超える高いボラティリティを維持している。高値圏での利益確定売りと押し目買いが激しく交錯しており、相場のエネルギーはまだ鎮火していないことを翌日の判断材料として強く意識しておく必要がある。
反省
本日は、前日の「ロイター予測や想定レンジを大幅に上回る展開で強い価格帯を維持し続けた」歴史的な急騰の反動が如実に表れた。最大の反省点(留意点)は、米国株が全面高であったにもかかわらず、日本市場はすでにそれを前日に織り込んでおり、素直な上値追いにはならなかった点である。
市場が好材料をどのタイミングで消化しているかを正確に見極めることの難しさを改めて痛感する。結果として「新規エントリーは見送り、利確優先」という戦略は機能し、安易な高値掴みを避けることができたのは不幸中の幸いであった。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
9日の日経平均は5日ぶり反落。終値は413円安の55,895円。米国とイランの停戦合意を受けて米国株は大きく上昇したが、日本市場は前日に好材料を消化して大幅高となっていたため、一段高とはならず利益確定売りに押されるスタートとなった。昨日強く買われた半導体株の多くが反動売りに押されている。
13時台半ばには下げ幅を500円超に広げる場面もあったが、押しが深くなると下値は拾われ、売り圧力は和らいだ。東証プライムの売買代金は概算で8兆2,000億円と引き続き高水準。非鉄金属、海運、鉱業などが上昇した一方、空運、小売、不動産などが下落。買い優勢金額1.26兆円に対し売り優勢金額1.36兆円と、売りがやや優勢の1日であった。
本日の注目銘柄
本日は、決算発表や個別材料、レーティング変更で動く銘柄が目立ち、業績相場への移行を感じさせる1日となった。
・古河電気工業(5801):野村証券による目標株価引き上げ(48,500円)を好感し大幅続伸。中東情勢の緊迫化でも高利益成長が続くと評価された。
・レーザーテック(6920):半導体製造装置の中で異色の強さを発揮し、海外筋の買い観測も。39,000円台で利食いをこなす展開。
・パワーエックス(485A):特別高圧蓄電所向け蓄電システムの受注発表で大幅続伸。
・サイゼリヤ(7581):通期業績の下方修正がネガティブサプライズとなり大幅反落。
・イオン(8267):今期最終益見通しが市場コンセンサスを下回り、後場に下げ幅を拡大(値下がり率トップ -8.19%)。
・ツルハHD(3391):今期経常最高益見通しも、実質減配方針が嫌気される展開に。
■全体動向トップ
・値上がり率トップ:横河電機(6841)(+4.07% / 5,654円)
・値下がり率トップ:イオン(8267)(-8.19% / 1,800円)
次回戦略
本日の反落により、過熱感は多少冷まされたものの、値幅1,200円というボラティリティと巨大な「窓」は手付かずのままである。明日(4月10日)は、週末を控えていることもあり、さらなるポジション調整の売りが出やすい環境にある。
次回戦略:「窓埋め警戒の継続と、下値での反発力見極め」
NF日経レバ(1570)のコアレンジを「51,000円〜52,800円」とやや切り下げて設定する。基本戦略は引き続き「高値追い厳禁」である。昨日開けた窓(50,000円近辺)に向けてジリジリと下値を試す展開をメインシナリオとし、不用意な押し目買いは火傷の元となる。もし51,000円付近まで押す場面があれば、そこでの反発力(下ヒゲの長さや出来高)を慎重に見極めた上で、極めて短期的な反発狙いの打診買いに留めるべきである。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。歴史的な急騰劇から一夜明け、相場は冷静さを取り戻すための調整局面へと入った。
米国株の全面高を横目に日本株が下落する展開は、ストレスを感じるかもしれない。しかし、狂騒の後に来るこの「冷や水」こそが、相場が健全なトレンドを形成するために不可欠なプロセスである。
焦る必要はない。過熱したオシレーターが適正な水準まで下がり、相場が再び力強くジャンプするための「足場(サポート)」を固めるまで、自らの資金を守りながら、相場の声に静かに耳を傾けるだけでいいのである。

