前日を振り返って:寄り天からの下落トレンド継続、AI関連の重し
前営業日である5月19日の相場は、事前の「6万円大台の攻防戦」という警戒通り、寄り付きの反発を持続できずに垂れてくる「寄り天」からの下落トレンド継続となった。
日経225はダウ平均の上昇に好反応を示し、寄り付き直後は300円超の上昇で61,400円台に乗せる場面もあった。しかし、電線株や半導体株などこれまで相場を牽引してきたAI関連の弱さが次第に嫌気され、マイナス転換。後場にはフジクラの中計発表を受けた一段安も響き、最終的に265円安の60,550円で4日続落して取引を終えた。NF日経レバ(1570)も、始値61,890円から一時62,230円まで反発したものの、そこをピークに下落へ転じ、安値は節目の6万円を割り込む59,830円を記録。終値は60,530円(前日比-440円)と重苦しい着地となっている。
明日の相場を占う上で注視すべきは、前日の乖離値(-800〜400円)と、依然として高止まりしている値幅(2,400円)である。マイナス圏からプラス圏まで振れる乖離値は、相場の乱高下に対するETFの価格形成の不安定さ(需給の歪み)を示している。また、寄り付きの反発から一転して6万円割れまで叩き売られる2,400円という非常に荒い値動きは、市場がまだ底を打っておらず、神経質な展開が継続していることを強く警告している。
寄り前情報:米株安の連鎖と、世界的イベント「エヌビディア決算」前の手控え

本日の相場環境は、重石となるマクロ要因と、巨大な様子見要因が重なっている。
昨晩の米国市場では、金利上昇に加え、原油価格の高止まりによるインフレ懸念や中東情勢の不安が重しとなり、主要3指数がそろって下落して取引を終えた。この米株安の流れを引き継ぎ、東京市場でも幅広い業種で売りが先行する公算が大きい。国内外の金利が上昇し続ける中、AIや半導体関連株は割高感が意識されやすく、下げを強めるリスクを孕んでいる。一方で、金利高を追い風とする金融株などは底堅く推移しそうだ。
そして何より本日の市場心理を支配するのが、日本時間あす早朝に控える半導体大手エヌビディアの決算発表である。大幅な増収増益が見込まれているものの、市場は「AI需要の持続性」を確信するためのハードルを極めて高く設定しており、結果を見極めたいという様子見ムードが広がりやすい。
ロイターの予測によれば、本日の日経平均は「続落」が見込まれ、売り一巡後は国内金利の動向(本日の20年利付国債の入札結果など)をにらみながらの神経質な展開となる見通しだ。日経平均の予想レンジは60,100円─60,600円と設定されており、節目の6万円大台ギリギリでの攻防が予想されている。
本日の戦略:6万円割れ警戒と、巨大イベント前の徹底したポジション管理
米株安の逆風とエヌビディア決算前の様子見ムード、そして前日の値幅2,400円というボラティリティを考慮し、本日のNF日経レバ(1570)の想定レンジは下値警戒を強めて以下のように設定する。
想定レンジ:59,300円 〜 61,000円
基本戦略:「大イベント前の無理な勝負は厳禁。6万円大台の攻防を見極める」
本日は、積極的な方向感が出にくい「様子見相場」と、金利高による「下値模索」が交錯する展開をメインシナリオとし、打診買いを控えた徹底的なリスク管理を基本方針とする。
- 59,300円〜60,000円の下値圏(6万円割れでのパニック売り警戒):
米国市場の下落を受け、寄り付きから売りが先行する展開が濃厚だ。日経平均が60,100円付近まで下押す局面では、NF日経レバは再び6万円の大台を明確に割り込む可能性が高い。心理的節目である6万円を割れると、個人のストップロスを巻き込んだ一時的な急落(オーバーシュート)が発生する危険性がある。エヌビディアの決算という最大の不確実性を翌朝に控えている以上、ここで「安くなったから」と落ちてくるナイフを拾うのはギャンブルに等しい。買いは厳禁とし、底割れの連鎖が起きないか静観に徹するべきだ。 - 60,500円〜61,000円の上値圏(戻り売りの徹底とポジションの身軽化):
売り一巡後に自律反発を見せたり、金融株の支えで指数が下げ渋ったりしたとしても、上値を買い上がるエネルギーは存在しない。巨大イベントを前にリスクポジションを落としたい投資家の「やれやれ売り」が確実に上値を抑えにくる。このレンジまで戻す場面があれば、保有ポジションを欲張らずにキャッシュ化し、明日のエヌビディア決算を最も身軽な状態で迎える準備を最優先としたい。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。しかし今日の相場は、嵐の前の静けさのごとく、重苦しい空気に包まれたまま下値を這うような展開となるかもしれない。
世界中の投資家が固唾を呑んで見守るエヌビディアの決算。その結果次第で、明日以降の相場は天国にも地獄にも振れる可能性がある。このような巨大な分岐点を前にして、不確実な波に大切な資金を晒す必要はどこにもない。
焦る必要はない。休むも相場である。ボラティリティの波に呑まれないよう、今日は自らのポジションを極限まで絞り込み、資金管理の防壁を高く築こう。そして明日、世界中を駆け巡るであろう新たなトレンドの号砲に、静かに耳を傾ける準備をするだけでいいのである。

