戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、米ナスダック安による先物の下落、半導体株の底堅さ、そして再拡大した1万2千円超の極大マイナス乖離を盾に、「先物主導のギャップダウンを狙い撃つ、極大乖離を背当てにした押し目買い」を基本方針としていた。
想定レンジは「81,500円 〜 85,000円」に設定。朝方の利益確定売りが一巡した後の打診買いと、自律反発局面での為替介入リスクを警戒した機動的な利益確定(早回し)を徹底し、極大乖離による下値サポートを信じて立ち回る構えであった。
実際の値動き

本日の相場は、我々の押し目買いシナリオを無残にも粉砕し、前日の歴史的暴騰から一転してほぼ前々日の水準まで逆戻りする大幅な反落となった。
■日経225
・始値 71,587円
・高値 71,786円
・安値 68,639円
・終値 69,360円(前日比 -3,005円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 81,770円
・高値 82,250円
・安値 76,040円
・終値 77,620円(前日比 -7,150円)
日経225は寄り付きから700円を超える下落でスタートし、すぐに下げ幅を4桁に拡大。前日に軒並み大幅高となっていたAI・半導体関連株への売り圧力が一転して強まり、7万円の節目をあっさりと割り込んだ。後場には下げ幅を3,700円超に拡大して68,600円台まで突っ込む場面もあり、終値は3,005円安の69,360円で引けた。
NF日経レバ(1570)も始値81,770円から高値82,250円と朝方にわずかな反発を見せたのみで、事前の想定レンジ下限(81,500円)を早々に下抜け。安値76,040円まで一直線に売り込まれ、終値は77,620円(前日比-7,150円)と大暴落を喫した。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日の「image_20.png」の5分足チャートを見ると、買い方が完全に力尽き、奈落の底へ突き落とされた様子がテクニカル指標に克明に表れている。
- ローソク足と移動平均線:朝方の寄り付き直後にボリンジャーバンドのミッドバンド(20本移動平均線)をデッドクロスして以降、一度もミッドバンドを奪還できない完全な下落トレンドを形成した。バンド下限(LOWER2〜LOWER3)に沿って急角度で滑り落ちる強烈なバンドウォークとなり、11時半過ぎに76,000円台の大底を打つまで売りが止まらなかった。
- MACD:朝方からデッドクロスを形成し、ヒストグラムは深いマイナス圏へと拡大し続けた。後場に入り安値圏で下げ止まると緩やかにゴールデンクロスへ向かい、引けにかけてようやく売りモメンタムの低下が見られた。
- RSI(KDJ)的な過熱感:日中の大部分において下限の過熱圏(売られすぎ水準)に張り付いたまま浮上できず、戻り売りの圧力がいかに強烈であったかを物語っている。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
-10,600〜-7,400円
■本日の値幅
6,200円
翌日の相場展開を予測し対策を構築する上で、本日記録されたこの2つのデータは極めて重要な判断材料となる。
第一に、値幅は驚愕の6,200円を記録した。前日の上昇分をほぼ全戻しするような異次元のボラティリティであり、市場のセンチメントが極端から極端へと振さぶられている証拠である。これほどの値幅が出た後は、上値に重いシコリ(含み損を抱えた投資家の戻り売り圧力)が強烈に残る。
第二に、本日の乖離値が「-10,600〜-7,400円」へと急縮小した点である。前日には12,700円まで再拡大していたマイナス乖離が、本日の大暴落によって一気にしぼんだ。これは売り方の買い戻し(ショートカバー)や損切りが相当程度進んだことを意味し、これまで我々が頼りにしてきた「異常乖離による下値サポート(底値の盾)」の効果が薄れていることを強烈に示唆している。
反省
本日の最大の反省点は、「日経225のロイター予測、およびNF日経レバの想定レンジを大幅に下回り、ほぼ前々日の水準まで逆戻りする大暴落を見抜けなかったこと」である。
SOX指数高や極大乖離を盾に押し目買いを狙ったが、アップルやマイクロソフト安を受けたAI関連株への売り圧力の強さを完全に見誤った。前日の上昇があまりに強烈だったため「本日の下落は健全な調整の範囲内だろう」と楽観視してしまった結果、想定レンジを大きく下回る深い谷に巻き込まれる形となった。ボラティリティが高い相場では、前日の常識が翌日には全く通用しないことを改めて肝に銘じる必要がある。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
26日の日経平均は大幅反落。終値は3,005円安の69,360円。25日の米国ではマイクロンが急騰したものの、アップルやマイクロソフトなどが弱く、ナスダックは下落。前日の東京市場ではマイクロンの決算を先んじて消化しAI関連が軒並み大幅高となっていたが、きょうは一転してAI関連に対する売り圧力が強まった。
寄り付きから700円を超える下落となり、下げ幅を4桁に拡大。7万円の節目を割り込み、2,700円を超える下落で前場を終えた。後場は前引けから一段と水準を切り下げ、下げ幅を3,000円超に拡大。3,700円を超える下落となって68,600円台に入ったところで売り圧力は和らいだが、7万円を下回って取引を終えた。AI関連の多くがきつい下げとなったが、プライムでは値上がり銘柄の方が多く、日経平均(4.2%安)とTOPIX(1.3%安)のパフォーマンスには大きな開きがあった。東証プライムの売買代金は概算で12兆1,600億円。東証プライム市場では、買い優勢金額は2.02兆円、売り優勢金額は2.19兆円となった。
本日の注目銘柄
本日はAI・半導体関連が相場全体を大きく押し下げる一方で、個別要因によって明暗が分かれる展開となった。
- 花王(4452):6月中間配当や1対2の株式分割の権利取りに向けた買いが入り、さらに野村証券の強気な目標株価(7,550円)も後押しして本日値上がり率トップ(+4.85%)となった。
- SGホールディングス(9143):証券会社による投資判断の引き上げが好感され、大幅に上昇した。
- INPEX(1605) / 石油資源開発(1662):イランによるホルムズ海峡での貨物船攻撃報道でNY原油先物が一時72ドル台に上昇し、エネルギー関連株が反発を見せた。
- 本田技研工業(7267):株主総会で三部社長が日産自動車(7201)との協業について「発表間近」と言及したことが伝わり、後場に上げ幅を拡大した。
- 岡本硝子(7746):AIデータセンター向けの需要拡大を受け、設備投資計画の一部前倒しを発表し急騰。
- 村田製作所(6981) / 太陽誘電(6976):米アップルが製品の値上げを発表し大幅安となったことがネガティブサプライズとなり、電子部品株が急落した。
- ソフトバンクグループ(9984):全体的なAI関連株の売り圧力に押され、本日値下がり率トップ(-12.53%)と激しく売り込まれた。
次回戦略
日経平均はわずか1日で3,000円超も暴落し、7万円の大台をあっさりと割り込んだ。我々は今、「値幅6,200円の暴落による重いシコリ」と「マイナス7,400円台まで急縮小した乖離値」という、極めて難易度の高い現実と向き合わねばならない。
次回戦略:「縮小した乖離値と巨大なシコリを警戒。リバウンド狙いは極限まで引き付ける冷徹なレンジトレード」
明日(6月27日)のNF日経レバ(1570)は、本日の6,200円という暴力的な値幅による「やれやれ売り」や「戻り待ちの売り」が上値を強烈に押さえ込む展開を想定する。コアレンジは本日の実態を反映し、「74,000円 〜 78,500円」へと大幅に引き下げる。
基本戦略は、安易な押し目買いを完全に封印した「冷徹な引き付け」である。乖離値が縮小したことで、これまでの下支えとなっていた売り方の強制買い戻しパワーは期待できない。朝方に自律反発を見せても、上値では本日捕まった投資家の投げ売りが待ち構えている。したがって、下落トレンドが落ち着き、チャート上で明確なダブルボトムなどの反転サインを確認するまでは静観を徹底する。エントリーした場合も、欲張らずに小さな値幅で利益を確定させる防衛的トレードを貫き、再び相場の方向性が定まるのを待つ姿勢が求められる。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。昨日の「史上最高値更新」というお祭り騒ぎから一転、本日は前日の上昇分をほぼ全戻しする「値幅6,200円の超絶大暴落」に呑み込まれた。連日のように数千円単位で資産が上下するこの相場環境に精神を削られ、絶望的な含み損を抱えてしまった投資家も決して少なくないはずだ。
「昨日のうちに利確しておけばよかった」「なぜあそこで押し目だと信じてしまったのか」。後悔の念は尽きないだろう。しかし、これが相場という名の残酷な現実である。極大乖離という頼みの綱すら縮小し、我々は再び丸腰に近い状態でこの狂乱相場に立ち向かわなければならない。
だが、相場から退場さえしなければ、必ず次の一手が打てる。今日深く傷ついたのであれば、明日は無理に戦う必要はない。急縮小した乖離値と巨大な値幅が示す危険なサインを冷静に受け止め、まずは自らの資金管理ルールという盾を握り直すことだ。この嵐のような相場を共に耐え抜き、冷徹な視線で次のチャンスをじっと待とう。まずは生き残れ、話はそれからだ。

