戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、米株安の連鎖と、エヌビディア決算という巨大イベントを控えた様子見ムードを考慮し、「大イベント前の無理な勝負は厳禁。6万円大台の攻防を見極める」を基本方針としていた。
想定レンジは下値警戒を強め「59,300円 〜 61,000円」に設定。日経平均が60,100円付近まで下押す局面ではNF日経レバの6万円大台割れが必至であると予測し、個人のストップロスを巻き込んだ急落(パニック売り)を警戒。戻り売りの徹底と、エヌビディア決算を身軽な状態で迎えるためのポジションのキャッシュ化を推奨するシナリオを描いていた。
実際の値動き

結論から言えば、本日の相場は事前の「下値模索」の予測通り、エヌビディア決算前の手控えムードとリスク回避の売りが重なり、心理的節目の6万円をあっさりと割り込む「大幅な続落相場(5日続落)」となった。
■日経225
・始値 60,567円
・高値 60,567円
・安値 59,292円
・終値 59,804円(前日比 -746円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 60,220円
・高値 60,220円
・安値 57,900円
・終値 59,060円(前日比 -1,470円)
日経225は米国株安を受け、前日終値近辺で寄り付いたものの上値は全く追えず、始値が高値となる典型的な「寄り天(陰線)」の展開。ソフトバンクグループやフジクラなどAI関連の一角が大きく売られ、序盤で一気に下げ幅を1,200円超に拡大して59,200円台まで突っ込んだ。その後、売り圧力は和らいだものの戻りは極めて鈍く、後場は一度も6万円を回復できないまま低空飛行が継続し、終値は59,804円(前日比-746円)で引けた。日経平均(1.2%安)よりもTOPIX(1.5%安)やグロース250指数(4%超安)の下落率が大きく、相場全体のリスク回避姿勢が鮮明となった。
NF日経レバ(1570)も始値が高値(60,220円)となり、そこから一気に崩落。安値は57,900円まで突っ込み、終値も59,060円(前日比-1,470円)と、想定レンジ下限(59,300円)を下掘る厳しい着地となった。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日の「image_52.png」のチャートからは、買い支えが全く入らない完全な下落トレンドが確認できる。
・ローソク足と移動平均線:寄り付きから大陰線を形成してボリンジャーバンドの-2σを大きく下抜け、強烈なバンドウォーク(下落トレンド)が継続している。日中の反発(下ヒゲ)も限定的であり、売り方の勢いが勝っている。
・MACD:デッドクロスからマイナス圏へのヒストグラムの拡大が止まらず、下落モメンタムは依然として加速状態にある。
・RSI(相対力指数):急角度で低下し、30を明確に割り込む「極度の売られすぎ」水準に突入。しかし、底打ちの反転サイン(ダイバージェンスなど)は確認できず、下値のメドが立ちにくい状況だ。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
300〜1,300円
■本日の値幅
2,300円
明日の相場を占う上で、この2つのデータは「強烈なボラティリティと、投げ売りに対するプレミアム」を示唆している。
乖離値が「300〜1,300円」のプラス圏で推移したことは、現物指数の急落(パニック売り)に対して、レバレッジETFの価格が「下げ渋る(あるいは買い向かう投資家がいる)」という需給の歪みが発生していたことを意味する。
そして、値幅は2,300円を記録した。連日のように2,000円を超えるボラティリティが発生しており、市場が極めて不安定な状態に陥っている。「エヌビディア決算」という巨大イベントを前にして、この異常な値幅でポジションを持つことは非常にリスクが高い。
反省
本日の最大の反省点は、「日経225の6万円大台割れと、エヌビディア決算前の様子見ムードを想定し、ポジションのキャッシュ化を推奨した基本方針は正解であったものの、下落のスピード(オーバーシュート)をやや甘く見積もり、想定レンジ下限(59,300円)を下回る突っ込みを許したこと」である。
相場が5万円台へと突入していく過程で、AI関連の崩落が全体に波及する「リスク回避」の動きが想定以上に強かった。このようなパニック相場では、どれだけサポートラインを引いても無意味になる瞬間がある。打診買いを控えた徹底的なリスク管理の重要性を改めて思い知らされる結果となった。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
20日の日経平均は大幅に5日続落。終値は746円安の59,804円。米国株安を受けて小幅に上昇して始まったものの、すぐにマイナス圏に沈み、下方向に勢いがつく展開となった。
ソフトバンクグループやフジクラなどAI関連の一角が大きく売られ、全体でもリスク回避の様相が強まり、序盤で一気に下げ幅を1,200円超に拡大。59,200円台で売り圧力は和らいだが戻りは鈍く、後場は一度も6万円を上回ることができずに低空飛行が継続した。多くの銘柄が下落して反転の手がかりに乏しい中、700円を超える下落で取引を終えた。グロース250指数が前日の上昇の反動で4%を超える下落となるなど、新興市場も総崩れとなった。東証プライムの売買代金は概算で9兆5,400億円。
本日の注目銘柄
本日は、AI関連への売りが継続する中で、好材料が出た個別銘柄への局所的な資金流入が目立った。
・UBE(4208):配当政策の見直し(増配)を発表し、値上がり率トップ(+20.92% / 2,890.5円)と急騰。
・FIG(4392):台湾企業との先端AIパッケージ検査装置開発への思惑から、荒れ相場の中で一時急騰。
・AIストーム(3719):データセンター運営子会社の設立発表を手掛かりに後場終盤に急騰。
・古河電気工業(5801):新経営方針(2030年度営業益2,500億円目標)を好感し後場もプラス圏を維持。
・アストロスケールホールディングス(186A):第三者割当増資とCB発行による希薄化リスクが嫌気され大幅反落。
・オークマ(6103):値下がり率トップ(-9.99% / 4,055.0円)。
次回戦略
値幅2,300円のボラティリティを伴い、心理的節目である6万円をあっさりと割り込んだ。相場の運命は、明朝のエヌビディア決算に完全に委ねられている。
次回戦略:「エヌビディア決算後のトレンド追随と、ボラティリティへの厳戒態勢」
明日(5月21日)のNF日経レバ(1570)は、日本時間早朝に発表されるエヌビディアの決算結果によって、寄り付きから暴騰または暴落のどちらかに大きく振れる「ギャンブル相場」となる。コアレンジは決算の不確実性を考慮し、極めて広い「57,000円〜62,000円」に設定する。基本戦略は「決算結果を受けた寄り付きのギャップ(窓開け)の方向へ素直に順張りしつつ、早めの利益確定を心掛ける」ことだ。好決算でアク抜けとなれば6万円奪還へ向けて急反発するが、ガイダンスが市場の期待に届かなければ、AI関連の売りが加速し、5万円台半ばへ向けて底なし沼となる。いずれにせよ、事前のポジションメイクは自殺行為であり、決算通過後のトレンドを確認してからのエントリーが鉄則である。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。今日の相場は、決算という巨大な審判を前に、耐えきれなくなった投資家たちの投げ売りが連鎖する重苦しい1日であった。
6万円の大台が崩れ去り、恐怖心に苛まれている投資家も少なくないだろう。しかし、相場の未来は誰にもわからない。明日の朝、世界最大の半導体メーカーがどのような数字を叩き出すのか。その結果次第で、今日の絶望が一転して歓喜に変わる可能性も十分に秘めているのだ。
焦る必要はない。巨大な波が来る前に、小舟で海に出るような無謀な真似は控えよう。今はただ、自らの資金を守り抜くことだけを考え、明日の朝に鳴り響くであろう世界的な号砲を、静かに待つだけでいいのである。

