前日を振り返って:乱高下の末に大幅反発!再び拡大したマイナス乖離と激しいボラティリティ
前営業日である6月9日の相場は、米国ハイテク株高を受けた買い戻しと利益確定売りが激しく交錯する、非常にボラティリティの高い1日となった。
日経225は寄り付きから600円超の上昇でスタートしたものの、AI関連の一角の弱さが警戒され、いったんマイナス転換して安値63,918円まで売り込まれるヒヤリとする場面があった。しかし、下げたところですかさず買いが入り、後場にかけて猛烈な反発を見せ、終値は1,392円高の65,416円と4日ぶりの大幅反発を記録した。NF日経レバ(1570)も、始値68,660円から一時66,730円まで急反落し、想定レンジ下限を大きく下回る展開となったが、底打ち後は力強い上昇トレンドを形成して高値69,950円に到達。終値では69,730円(前日比+2,730円)と見事なV字回復を見せた。
本日の戦略を構築する上で警戒すべきは、再び拡大した乖離値(-4,500〜-2,800円)と、引き続き高水準を維持している値幅(3,200円)である。
現物市場の急反発に対してレバレッジETFの買いが完全に追いついておらず、空売り勢が再びポジションを積み上げているか、買い戻しをためらっている状況がうかがえる。これにより、再び強烈なショートスクイーズ(踏み上げ)の燃料が溜まりつつある。一方で、値幅が3,200円に達する荒れ相場においては、わずかなニュースや需給の傾きで数千円単位の乱高下が起きる「危険地帯」にいることを自覚し、レンジ設定の「のり代」を十分に取ったディフェンシブな立ち回りが求められる。
寄り前情報:ハイテク急落と中東リスク再燃、米CPIを前に神経質な展開へ

本日の相場環境は、前日の大幅反発から一転し、海外発の悪材料と重要イベントを控えた警戒感から売り先行のスタートを覚悟せねばならない。
添付の「image_20.png」が示す昨晩の米国株式市場データを見ると、NYダウこそ50,872.11(+86.10)と小幅に上昇したものの、NASDAQは25,678.82(-250.84)、S&P500は7,386.65(-19.08)と反落している。特にフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が一時8%超安まで下落するなど、ハイテク株の急落が目立った。さらに、イラン軍がホルムズ海峡で米軍ヘリコプターを撃墜し、トランプ米大統領が報復の意向を示したことで、中東情勢の先行き不透明感が一気に高まっている。これを受けてVIX指数(恐怖指数)も19.87(+5.02%)へと上昇し、市場の警戒感が強まっている。
ロイターの予測によれば、本日の日経平均は米ハイテク株安を引き継ぐ形で「売り先行」でのスタートが見込まれている。AI・半導体関連株を中心に売りが出やすい環境であり、日経平均の予想レンジは64,500円─65,000円と設定されている。日経225先物(期近)も64,440円(-960円 / -1.47%)と軟調な気配を示しており、今晩の米国5月消費者物価指数(CPI)の公表を控えて、買い一巡後は次第に様子見ムードが広がりやすい1日となりそうだ。
本日の戦略:重要イベントを睨んだ神経質な展開を想定、マイナス乖離を盾にした逆張り押し目買い
日経先物の下落、米ハイテク株の急落、中東の地政学リスク、そして底流にある強烈なマイナス乖離を総合的に判断し、本日のNF日経レバ(1570)の想定レンジは、値幅の大きさを考慮して広めに設定する。
想定レンジ:67,500円 〜 69,500円
基本戦略:「売り一巡後の下値支持を確認し、反発局面での確実な利益確定」
本日は、米CPIという巨大なイベントと週末のメジャーSQを目前に控えた「神経質なもみ合い相場」をメインシナリオとし、レンジ下限での逆張り・押し目買いを基本方針とする。
- 67,500円〜68,200円の下値圏(パニック売りの一巡とマイナス乖離を背当てにした押し目拾い):
寄り付きは先物にサヤ寄せする形でギャップダウンでのスタートが予想される。ハイテク株安や中東情勢の緊迫化を嫌気した売りが先行し、68,000円を割り込む下押しがあるかもしれない。しかし、ここで強烈なクッションとなるのが「-4,500〜-2,800円」まで再拡大したマイナス乖離である。下落局面では空売り勢の買い戻し(ショートカバー)が入りやすいため、パニック売りが一巡し、底堅さが確認できた時点での打診買い(押し目買い)は十分に勝算がある。 - 69,000円〜69,500円の上値圏(買い戻し一巡後の失速警戒と戻り売り徹底):
下値から自律反発を見せ、日銀の利上げ観測を背景とした金融株や出遅れ銘柄への資金シフトが相場を支えたとしても、今晩の米CPIを前に上値を積極的に追う大口投資家は少ない。70,000円の大台回復は重いと見て、反発局面では決して欲張らず、こまめな利益確定を実行してキャッシュ比率を高めておくことが賢明である。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。昨日のV字回復で胸をなでおろしたのも束の間、今日は再び「ハイテク急落」と「中東の銃声」、そして「米CPI」という重圧が市場に暗い影を落としている。
値幅3,200円という荒れ狂うボラティリティの中で、朝方の下落に恐怖を感じて底値で手放してしまったり、高値で飛びついてしまったりと、感情を揺さぶられる展開が続いている。しかし、再び拡大したマイナス乖離は、相場の裏側にまだ爆発のエネルギーが潜んでいることを我々に教えてくれている。
焦る必要はない。今晩の米CPIの結果次第で、明日の相場はまた全く違う景色を見せるはずだ。巨大なイベントを目前に控えた今日という日は、無理にリスクを取って大きな勝負に出るタイミングではない。自らの資金管理のルールを絶対の防具とし、気まぐれに表情を変える相場の声に、今日も静かで冷徹な心を持って耳を傾けていこう。

