戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、米マイクロン・テクノロジーの好決算を受けた先物の急騰と、日経VIの異常な高止まりを背景に、「朝方のギャップアップ追随と、高ボラティリティを警戒した早回し戦法」を基本方針としていた。
縮小しつつあったマイナス乖離を根拠に「売り方の買い戻しパワーは弱まっている」と判断し、想定レンジを「79,500円 〜 82,500円」に設定。寄り付き直後の飛びつき買いを避け、下値を丁寧に拾う打診買いに徹しつつ、上値では確実に戻り売りが降ってくると警戒し、含み益が出た段階での機動的な利益確定を徹底する構えであった。
実際の値動き

本日の相場は、我々の「戻り売り警戒」という慎重な姿勢をあざ笑うかのように、寄り付きから怒涛の買い上げが継続。売り方不在の猛烈なショートスクイーズが発生し、日経平均が史上最高値を更新する歴史的な大暴騰の1日となった。
■日経225
・始値 70,114円
・高値 72,594円
・安値 69,982円
・終値 72,366円(前日比 +3,191円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 81,670円
・高値 85,200円
・安値 80,860円
・終値 84,770円(前日比 +7,110円)
日経225は、米マイクロン・テクノロジーの時間外での株価急騰を好感し、寄り付きから900円を超えるギャップアップでスタートした。直後に7万円の節目を上回ると、前日に警戒感から売られていたAI・半導体関連株に強烈な買い戻しが入り、上げ幅を一気に4桁へと拡大。後場に入るとさらに一段高となり、売り手不在の様相が強まった。終盤には一時3,400円超も上昇し、6月22日につけた終値ベースの史上最高値(72,353円)をあっさりと上回る72,500円台に乗せ、圧倒的な強さを見せつけて引けた。
NF日経レバ(1570)も、始値81,670円と事前の想定レンジ上限(82,500円)に迫るロケットスタートとなった。寄り直後に安値80,860円をつけたのが唯一の押し目となり、そこからはひたすら上値を買い進まれる一方通行の展開。後場には高値85,200円まで駆け上がり、終値も前日比+7,110円という規格外の暴騰で84,770円にて取引を終えた。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日の「image_20.png」の5分足チャートを分析すると、買い方が完全に相場を制圧した「青天井」の軌跡が如実に表れている。
- ローソク足と移動平均線:寄り付き直後に少し下押ししたものの、そこから一気にボリンジャーバンドのミッドバンド(20本移動平均線)を上抜け、上昇トレンドを確立した。日中を通してミッドバンドが強力な下値支持線として機能し、バンドの上限(UPPER2〜UPPER3)に沿ってジリジリと上値を切り上げる、美しい右肩上がりのバンドウォークを形成している。
- MACD:朝方の押し目でゼロライン付近から綺麗なゴールデンクロスを形成し、その後は日中を通して高い水準を維持。ヒストグラムも安定してプラス圏で推移しており、買いモメンタムがいかに強固であったかを示している。
- RSI(KDJ)的な過熱感:これだけの一本調子の上昇であればオシレーター系指標は完全に過熱圏に張り付いているはずだが、後場にかけても高値圏で横ばい推移を見せており、過熱感を帯びながらも崩れない「強いトレンド特有の粘り」を発揮している。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
-12,700〜-10,800円
■本日の値幅
4,400円
明日の相場展開を予測する上で、本日叩き出されたこの2つのデータは、昨日までの見立てを根底から覆す強烈なメッセージを放っている。
最大のサプライズは、本日の乖離値が「-12,700〜-10,800円」へと再び異常拡大したことである。前日には1万円を割り込んで縮小傾向にあったはずの乖離が、たった1日でマイナス1万2千円台へと逆戻りした。これは、昨日の大暴落を見て「ついにトレンド転換だ」と新規の空売りを仕掛けた層が、本日のギャップアップで完全に捕まり、血みどろの踏み上げ(ショートスクイーズ)の燃料として再装填されたことを意味する。
そして、本日の値幅は4,400円である。連日で数千円規模の値動きが常態化しており、この強烈なマイナス乖離を背景にしたボラティリティの爆発力は、相場が完全に「制御不能な熱狂」のフェーズにあることを示している。
反省
本日の最大の反省点は、「昨日の大暴落を『トレンドの終焉』と誤認し、青天井のエネルギーと踏み上げ相場の威力を過小評価してしまったこと」である。
日経225のロイター予測、およびNF日経レバの想定レンジを完全に置き去りにする大幅な上昇となった。「乖離値が縮小したから戻り売りが優勢になる」というロジックに固執し、マイクロンの好決算が引き起こすAI半導体株の反発力を甘く見すぎていた。結果として、昨日の下落は単なる「日柄調整」あるいは「空売りの燃料補給」でしかなく、強烈なトレンドの最中においては、浅はかな逆張り思考が命取りになることを痛感させられた。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
25日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は3,191円高の72,366円。米国の引け後に決算を発表したマイクロン・テクノロジーの時間外の株価急騰が好感され、寄り付きから900円を超える上昇。節目の7万円を上回るとすぐに上げ幅を4桁に広げ、AI関連の多くに強い買いが入った。
前場を2,600円超の上昇で終えると、後場は一段高となり売り手不在の様相に。終盤には3,400円超上昇して72,500円台に乗せる場面もあり、史上最高値を更新した。東証プライムの売買代金は概算で10兆9,100億円。業種別では電気機器、情報・通信、ガラス・土石などが上昇した一方、鉱業、海運、保険などが下落した。東証プライム市場の買い優勢金額は2兆円、売り優勢金額は2.04兆円と拮抗しているように見えるが、指数の寄与度が高い銘柄に資金が集中したことが窺える。
本日の注目銘柄
本日は、半導体関連株が相場の主役として猛威を振るう一方、金利動向やコモディティ価格の影響で明暗がはっきりと分かれる展開となった。
- アドバンテスト(6857):マイクロンの好決算の背景にあるAI半導体「HBM(高帯域幅メモリー)」の爆発的な需要発現を受け、HBM用テスターで世界首位級のシェアを誇る同社に投資マネーが集中。11%を超える急騰で上場来高値をあっさりと更新し、本日値上がり率トップ(+15.06%)となった。
- ソフトバンクグループ(9984):野村証券がAIエコシステム構築の進展を評価し目標株価を引き上げたものの、本日は全体の上昇からやや取り残され軟調な推移となった。
- アール・エス・シー(4664):ソフトバンクGの孫会長がフィジカルAIによるロボット量産に言及したことで、関連銘柄としての思惑買いが継続し連日のストップ高。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):東海東京インテリジェンス・ラボが日銀の追加利上げ期待と下期の追加的株主還元を見込み、目標株価を4,070円へ引き上げたことで反発。
- INPEX(1605) / 石油資源開発(1662):中東情勢の緊張緩和懸念からNY原油先物相場が70ドルを割り込む下落となり、国内エネルギー関連株も大幅続落。
- 東京海上ホールディングス(8766) / MS&AD(8725):日米での債券利回り低下や、海外事業における保険料値下げ圧力への懸念から保険株は総じて軟調な展開を強いられた。
- 任天堂(7974):マイクロンの売り上げ拡大予想が「メモリー価格高騰によるゲーム機器の利益圧迫」とネガティブに受け止められ、連日の下落で年初来安値を更新。
次回戦略
日経平均は史上最高値を更新し、完全に未知の領域へと足を踏み入れた。そして我々の前には、再びパンパンに膨れ上がった「マイナス1万2千円超の乖離」という強烈な起爆剤が鎮座している。
次回戦略:「再拡大した極大乖離を盾に、史上最高値更新のモメンタムに乗る順張り追随」
明日(6月26日)のNF日経レバ(1570)は、この圧倒的な売り方の買い戻しエネルギーを味方につけ、さらなる上値追いを基本シナリオとする。コアレンジは本日の急騰を踏まえ、「84,000円 〜 88,000円」の超高値圏へシフトさせる。
基本戦略は、「押し目は拾い、トレンドには素直に乗る」順張りトレードである。乖離値が再び-12,700円まで拡大したことは、本日踏み上げられた売り方がまだ逃げ切れていないことを示唆している。したがって、朝方に利益確定売りで下押しする場面があれば、そこは空売り勢の買い戻しが強烈なサポートとなる絶好の押し目買いポイントとなる。値幅4,000円のボラティリティに警戒しつつも、高値警戒感というノイズを捨て、素直にチャートの上昇トレンドについていく勇気が試される局面だ。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。昨日の「地獄の底」から一転、今日は「天を衝く青天井」へ。わずか数日でこれほどまでに投資家の感情を振り回す相場は、歴史上類を見ない。昨日の暴落で恐怖に負けて途転ショート(売り)を仕掛けてしまった投資家は、今日の猛烈な踏み上げで言葉を失うほどの致命傷を負ったことだろう。
相場は常に我々の予測の斜め上をいく。乖離値が縮小したからといって安心すれば、翌日には再び極大化して襲いかかってくる。この常軌を逸したボラティリティの中で頼れるのは、過去の経験則ではなく、今目の前で動いているチャートの事実と、自らが設定した冷徹な資金管理のルールだけだ。
史上最高値更新という未知の世界に足を踏み入れた今、高所恐怖症になる必要はない。しかし、慢心は最大の敵である。今日大きく資産を増やした者も、悔しい思いをした者も、一旦すべてをリセットしよう。激しく燃え盛る相場の熱狂から一歩引き、再び拡大した異常乖離という強力なエンジンを背に、明日もまた、ブレない自分軸を持って荒波に向かっていこう。気合を入れて、生き残れ!

