戦略のまとめ
本日の事前の戦略は、中東リスク後退による反発期待と、エヌビディア決算通過による事実売り(セル・ザ・ファクト)の交錯を想定し、「アク抜けの反発に乗る順張りと、上値での欲張らない利益確定」を基本方針としていた。
想定レンジは「58,500円 〜 61,500円」に設定。エヌビディアの時間外下落による寄り付きの売りを想定しつつも、下値は堅いと推測。売り一巡後の反転シグナルを待ってからの押し目買いと、6万円台回復局面でのこまめな利益確定をシナリオとして描いていた。
実際の値動き

結論から言えば、本日の相場は事前の「反発」という予測通りとなったが、その強さは想定レンジを上回る力強いものとなり、一気に6万円台を奪還する「大幅な急反発」を演じた。
■日経225
・始値 60,374円
・高値 62,043円
・安値 60,282円
・終値 61,684円(前日比 +1,879円)
■NF日経レバ(1570)
・始値 61,820円
・高値 63,230円
・安値 61,640円
・終値 62,540円(前日比 +3,480円)
日経225は米国市場の強い動きを受け、寄り付きから500円超上昇してスタート。開始早々に上げ幅を4桁に拡大し、ソフトバンクグループや半導体株などの大型グロース株が力強く牽引した。前場を2,000円超の上昇で終えると、後場には一時62,000円台に乗せる場面もあった。終盤にかけてはやや上げ幅を縮めたものの、最終的に1,879円高の61,684円と、6日ぶりの大幅反発で取引を終えた。
NF日経レバ(1570)も、始値61,820円から勢いよく上昇。一時は高値63,230円まで駆け上がり、終値は62,540円(前日比+3,480円)と、事前の想定レンジ上限(61,500円)を大きく上回る強い着地となった。
テクニカル分析(1570チャートより)
本日のチャートからは、これまでの下落トレンドから一転、力強い買い戻しによるモメンタムの回復が読み取れる。
・ローソク足と移動平均線:寄り付きから大きなマドを開けて上昇スタート。大陽線を形成し、ボリンジャーバンドの-1σからミッドバンド付近まで一気に水準を切り上げた。
・MACD:依然としてマイナス圏での推移だが、ヒストグラムのマイナス乖離が縮小に転じており、下落モメンタムの弱まりと反転の兆しを見せている。
・RSI(相対力指数):極度の「売られすぎ」水準から上向きに反発しており、買いのエネルギーが戻りつつあることを示している。
本日の日経225とNF日経レバの乖離値及び値幅
■本日の乖離値
-1,200〜-1,400円
■本日の値幅
1,600円
明日の相場を占う上で、このデータは「買い意欲の強さと、ボラティリティの落ち着き」を示唆している。
乖離値は-1,200〜-1,400円とマイナス圏で推移したが、これは急激な上昇に対してレバレッジETFの価格が追いついていない(ディスカウント状態)ことを示しており、現物主導の強い買いが入っていた証拠である。
また、値幅は1,600円と、前日までの2,000円超えの異常な水準から縮小した。急騰劇でありながらも、パニック的な乱高下とはならず、一定の落ち着きを持って上昇したことは、相場が底を打ち、新たなトレンドを形成し始めている可能性を示している。
反省
本日の最大の反省点は、「エヌビディア決算後の『事実売り』を警戒しすぎた結果、NF日経レバの想定レンジを低く見積もり、大きな上昇の波に乗り切れなかったこと」である。
想定を上回る上昇スピードに対し、寄り付き後の押し目を待つ戦略ではエントリーのタイミングを逃す結果となった。中東情勢の好転やエヌビディアの好決算という好材料が重なった際の、市場の反発エネルギーの大きさを過小評価していた。このような強いモメンタムが発生した際には、柔軟に順張りへ切り替える判断力が必要であった。
東京市場サマリー(MOOMOO証券より引用)
21日の日経平均は6日ぶり大幅反発。終値は1,879円高の61,684円。前日の米国市場で中東の戦闘終結期待が高まり、原油価格の急落と長期金利の低下が進んだことが、米国株の強い動きにつながった。
これを受けた東京市場は500円超上昇して始まり、開始早々に上げ幅を4桁に拡大。ソフトバンクグループや半導体株などの大型グロース株が牽引役となり、前場を2,000円超の上昇で終えた。後場には一時62,000円台に乗せる場面もあり、終盤にやや縮んだものの、4桁の大幅上昇で取引を終えた。東証プライムの売買代金は概算で10兆5,900億円と活況。情報・通信、電気機器などが上昇した一方、鉱業、保険などが下落した。買い優勢金額1.84兆円に対し、売り優勢金額1.9兆円と拮抗しているものの、地合いの良さが際立った。
本日の注目銘柄
本日は、AI・半導体関連の主役級銘柄への買い戻しや、個別材料による急騰が相場を盛り上げた。
・キオクシアホールディングス(285A):好地合いの中、買いを集めて7.9%高となり、上場来高値を更新。
・ソフトバンクグループ(9984):値上がり率トップ(+19.85% / 6,039.0円)。生成AI関連株高に乗り大幅上昇。
・村田製作所(6981):AIデータセンター向けMLCCの需要拡大への思惑から急騰し、上場来高値を更新。
・FIG(4392):台湾企業とのAI半導体検査装置の共同開発の思惑から、連日のストップ高。
・アステリア(3853):投資先のスペースXのIPO目論見書公表を材料視され、新高値。
・任天堂(7974):モルガン・スタンレーMUFG証券による目標株価引き下げ(期待値リセット)を受け続落。
・SOMPOホールディングス(8630):今期の減益見通しが嫌気され、値下がり率トップ(-10.74% / 5,568.0円)。
次回戦略
値幅1,600円とボラティリティがやや落ち着きを見せながらの、6万円大台奪還。相場は底打ちから新たな上昇トレンドへの移行を模索している。
次回戦略:「62,000円台の定着確認と、出遅れAI関連への資金シフト」
明日(5月22日)のNF日経レバ(1570)は、本日の大幅反発の勢いを引き継ぎ、日経平均62,000円台の定着を図る展開をメインシナリオとする。コアレンジは「61,500円〜64,000円」へ上方修正する。基本戦略は「トレンド転換を意識した順張りと、押し目での買い増し」である。金利や原油価格の落ち着きが継続すれば、AI・半導体関連への資金流入は続く可能性が高い。本日の急騰に対する利益確定売りが出る場面(押し目)があれば、そこはエントリーの好機となるだろう。出遅れているAI関連銘柄の発掘にも注力したい。
閉めの言葉
上がると思えば下がり、下がると思えば一気に戻る。今日の相場は、5日間の苦しい下落を耐え抜いた投資家にとって、まさに干天の慈雨のような大幅反発となった。
エヌビディアの決算通過と中東情勢の好転という、重くのしかかっていた不確実性が払拭されたことで、市場は再び活力を取り戻した。6万円の大台を奪還し、底打ちの兆しが見えたことは大きな収穫である。
焦る必要はない。相場が反転の狼煙を上げたとしても、一本調子で上がり続けることはない。ボラティリティが低下しつつあるとはいえ、油断は禁物だ。自らの資金管理ルールを徹底し、明日も力強く鼓動する相場の声に、静かに耳を傾けるだけでいいのである。

